神の子供たちへ。

梯子

1話《とある雑誌。》

----研究所の詳細

20✕✕年、現在。

日本では、不定期的に、特別な力を持つ子供が生まれる。

人々はそれらのことを恐れ、忌子と呼んだ。

そして十数年前、通常の生活を送らせつつ、厳重に監視されていたはずの忌子が無差別殺人事件を起こし人々を恐怖に陥れ、止める手段がなく最終的に射殺された。

政府はこれを重く受け止め、忌子をある研究所に閉じ込め研究し、二度と忌子が生まれないようにすること、そして、あくまで噂程度ではあるが、その力を応用し日本の発展に役立てようとしていると言われている。

現在は、二人の忌子を収容中。

忌子の詳細は年齢以外がすべて厳重に隠されている。

研究者の名前、所在、性別、年齢、すべての詳細も伏せられている。

ただ一つ分かっていることは、研究者の中に忌子を恨む者が複数人いることだ。

そのことから、十数年前の忌子による無差別殺人の被害者の身内なのではないかと言われてはいるがそこも不明なままである。

忌子について。

忌子とは、通常の人間とは違う力を持った不定期的に生まれる子供だ。

一年に六人も生まれたケースもあれば、数年間ぱったり生まれた報告がなかった時期もある。

本人が自身の力に気づかず、周囲もその子供が忌子だと気づかないままのこともある。

現在は20歳以下の人間に対し一度の検査を義務付けており、今年忌子が生まれたという報告は今のところ無い。

忌子は、殆どの場合20歳以下で亡くなっており、それ以上生きた例は今まで一例しか報告されていない。十数年前の事件を起こした忌子は、当時18歳だったという。

去年報告された忌子は、15歳。

5年前から収容中の忌子は現在、忌子の寿命を超えており、引き続き研究中。

続いては_____。

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