好きです、先輩。義弟の兄ではだめですか?

茶々アルト

第1話


「好きです、先輩」


そういわれたら、たいていの場合、


「なにが?」


と返すだろう。


だって、相手は知り合いだ。


というか、目の前にいるのは、誰から見てもイケメンにはいる外見と、まあ、中身もそんなに悪くない、


(この場合、だれ?)


私の大切な妹の夫の兄だ。


たぶん親戚?


同じ中学の1学年下になるから、妹の結婚式ではじめてあった、義弟のお兄ちゃんだけど、後輩?になるらしい。


(ものすごく、ややこしくない?)


とりあえず南九州の片田舎の広大な地域だけど、たんに少子化や過疎化で近隣の市町村が合併していき、人口をなんとか保ってる田舎だ。


その中にある貴重な若手?の私たちは、両親が結婚式で意気投合し、わりと家族ぐるみで、肝心の妹夫婦抜きで食事したりしている。


ようは気の合うご近所付き合いにちかい。私の同級生も多くが県外に就職してる。


妹夫婦も基本的には、九州では都会の福岡にいる。


まあ、妹は特別なんで、半分は東京にいるけど。


(あれもキャリアウーマンって言うのかなあ?)


まだ飲んでる両親を残して、明日は仕事がある私を車で送ってくれる時に、いきなり目の前にいるイケメン、


村上竜生が言った。


義弟、私はカエルくんとよんでるから、もはやカエル兄だけど。


明日の朝用にパンを買うためによってもらったコンビニの駐車場でいきなりいわれた。


だから、


「なにを買うの?いつも送ってもらってるから、買うよ?」


って言ったら、


「だから、先輩、好きです」


もう一度、言う。


「コーヒー?」


いま飲んでるような?って苦い顔しながら、


「まあ、ブラックで」


「まあ、ブラック好きそうだしね?」


って言いながら、私は車から降りた。


コーヒー好きなんだ?


って首を傾げた。



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