五十路女とホストクラブ

あいこ

第1話 五十路の私、ホストクラブに行ってもいいですか?

普通の主婦

それが私の人生のカテゴリーだろう

パートはしてきた

働くことは好きなのだ

職場での人間関係が突然狂った……

そして休職を余儀なくされた

仕事の無い日常


普通の主婦

なんてカテゴライズされているが

家事全般が苦手である

パートに出ることで何者かになろうとしていた


空っぽになった気がした

ビジネスホテルに連泊し

自分と向き合う時間を過ごした

なんて言うと聞こえがいいが

ただ今いる場所から逃げたかったのだ


ホストクラブ……

人生で1度は行きたいと考えていた

しかし昨今のニュースも知っている

正直こわい

行きたい、でもこわい


「行こう!」

休職という現実が私を自暴自棄にさせていたのか

はたまた好奇心が勝ったのか

繁華街を闊歩する

服装なんてどうでもいい

どうせおばさんなんて歓迎されないわ

自分に言い聞かせながら歩いた

たどりついた店には

派手な看板

黒いドア

いかがわしい雰囲気が漂っている

いかにもホストクラブだ

私はこのドアを開けられるのだろうか



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