早起き

 終電で帰ってこれただけでもありがたい。華金?プレミアムフライデー?そんなものは幻想にすぎない。

 そんな金曜の夜、いやもう土曜日に差し掛かっていたところで布団に入る。気づいたときには眠っていた。

 目を覚ますと既にカーテン越しに日の光が差し込んでいた。時刻は六時手前。平日と同じ時間帯に目が覚めるように体が覚えてしまっているのか、疲れすぎて逆に寝れなかっただけなのか。あまりにも気持ちよく目が覚めてしまったため、二度寝はせずに起きることにした。

 さてどうしようか。独り身の会社員、本来なら1日中疲れを取るためにダラダラと寝過ごすつもりだったのだが、予定が狂ってしまった。

 なんとなく家を出て、近所を歩くことにした。平日であれば学生の姿が見えるが、その光景は見えない。朝日に照らされた近所の中小企業の看板は平日と変わらないが、普段早起きしない土曜日の朝、なかなか新鮮な感じがした。

 たまにはこういう早起きも悪くない。

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