切り抜き動画ならぬ切り抜き小説

呼吸するだけで金が欲しい

予感

 8月29日。「世の同世代は宿題に追われているのだろう」なんて思いながらランニングシューズを履き、最大限に詰め込んだパンパンのリュックを背負い、最大限に詰め込んだパンパンのショルダーバッグを肩にかける。玄関の引き戸を家族に気づかれないようにそっと開け外に一歩踏み出す。

 朝日がアスファルトを照らし、既に夏らしい気候である。蝉の鳴き声も外に出て一層大きくなった。

 そっと玄関のドアを閉めて鍵をかけ、軒下に向かう。ママチャリのカゴにリュックを置き、チャリの鍵を外す。

 ショルダーバッグが運転の邪魔にならないようにサドルにまたがり、思い切りペダルを踏み込んだ。

 暑さこそあるものの、夏の朝を感じるそよ風が気持ち良い。

 昨晩のうちに衣類、お菓子はリュックに詰め込んだ。貯金箱から全部財布に詰め込んだ。その他ティッシュ、ハンカチなども準備してある。どうせコンビニなどに適宜寄るつもりだ。必要に応じて買い足せば良い。

 さぁ、出発だ

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