その掛けた指…

甘味

第1話

『パンッ、パンッ、パンパンッ…』

 銃声の音が、何度も響き渡るFPSスタイルのゲームプレイ画面

『パンッ!』

 その瞬間、敵プレイヤーが倒され、画面から消える

 すると、ゲーム画面はさっきまで敵が立っていた所に近付いていき、地面を見るように下を向くと…

『ババババンッ!!』

 地面に向かって、連続で銃を放つ


「この雑魚が…!!

 弱ぇー癖に向かって来てんじゃねぇ!!」

 ゲーミングモニターに向かって、そう叫ぶ一人の青年が居た

 少し長めでボサッとした髪型、目つきも少し険しく、体つきも華奢で決して良いとはいえず、明らかに陰キャで、引きこもりっぽい見た目のその青年…


「どいつもこいつも弱ぇーんだよ!

 無駄に足掻いてんじゃねぇ!」

 そう言うと、ゲーミングチェアーにどっぷりと座り

「もっと歯応えある奴来ねぇかな…?」

 と呟く


 すると、次の瞬間であった

《汝のその願い、マッチングされました…》

 その文字がモニターに表示され、モニターが光り出す

「何だ…!?」

 驚く青年

 そして、モニターの光は更に強くなり、辺りのみならず、青年が居たその部屋全体が強く眩い光に包まれた


「んっ、んっ…」

 光に眩んだ瞼をゆっくりと開ける青年

 すると、そこに広がっていたのは、広大な平原であった

「ここは…?」

 そう青年が困惑している時だった


『ウオオオ…!!!』

 辺りに響き渡る叫び声と同時に、鎧を纏った無数の兵士が、こちらに向かって迫ってくる

「…あああ!?」

 思わず死を覚悟する青年

 だが、次の瞬間であった

『ドューン!!』

 一筋の閃光が、青年の後方から兵士達に向かって、駆け抜ける


 兵士達の軍勢を引き裂くように駆け抜けた閃光

 それによって、動きを止める兵士達


「今の何だ…!?」

 青年は後方をゆっくりと振り向く

 青年の遙か後方、そこに居たのは、銃身が非常に長いスナイパーライフル銃を片膝を地面について構える、銀髪の外国人のような顔立ちの女性であった

「剣なんて、時代遅れ…」

 そう呟く女性


「ハアハア…」

 青年は状況の整理がつかず、困惑するしか無かった


《ようこそ、銃と魔法の世界へ…》

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る