.118『戦場で踊る二色の炎』:8va rima

してゆるせぬ悪逆あくぎゃくが いま まえった

出来できわるげきのように てき嬉々ききおどかく

してもえぬ あかほのおが 呵々呵々かかかかわらった

せきつことさえゆるさずに観客かんきゃくくし

気色けしきばんで くらんだよるに 悪魔あくまかかなさかった

奕々えきえきたるまちみにちた死臭ししゅう から終止しゅうし

片時へんじに 炎火えんかまにまに まちいて赫々かくかく

えんじるはあかかみ左目ひだりめ らしておどる 悪徒あくと


戦地せんちとりできずいて 血糊ちのりを そそごうと

結局けっきょくやつほのおされおとされおかされてしまう始末しまつ

浅知せんちさくこうじて 必死ひっしこいて無様ぶざまひざまずこうと

結局けっきょくやつおうじずおどおどって墓碑ぼひみなへと仕立した

天地てんちくやの戦力差せんりょくさ くささえもあく

絶叫ぜっきょうげたほのおが 故郷こきょうらをらい荒立あらだ

みをかべたつきが 焼死しょうしする同士どうしまぶ弔詩ちょうし

戦場せんじょうったあお羽根はねかがや嚆矢こうし


てき味方みかたかもからぬ 新手あらて右手みぎて慟哭どうこく

兵燹へいせんのろ故郷こきょうへとあおほのおを かかなき かざった

碧海へきかいさながらひろがりあかほのおける玉趾ぎょくし

腥羶せいせんまと悪魔あくま視線しせんうよりはやはなった

撃攘げきじょう第二撃だいにげき あお災殃さいおうめぐり つらぬ嬌姿きょうし

軽賤けいせん火取ひどったあかひとみ継戦けいせんいと退がった

舌口ぜっこうひとわさず われるいろいろふた

激昂げっこう眼差まなざのこし 姿すがたしたあかへとかぜ


血痕けっこん 焼痕しょうこん 混合こんごうするまちで みな

天使様てんしさま 天使様てんしさま なみだながらにあがたかぶ郷土きょうど

熱狂ねっきょうするらにかこまれた 彼女かのじょまえ

天使てんし殿どのらんかぎりの御礼おんれいもうげると

月光げっこう正気しょうきもどしたか天使てんし殿どのへとした

天使てんし殿どのずかしげに一礼いちれいして 羽搏はばたくと

みかなみだ不明ふめいいろかべてった

目見立めみたみなあとあおつばさ夜空よぞらへとった

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