.110『地獄より赫く、天国よりも蒼い場所』:Sestina

まどうみんなを 易々やすやすやす

人間にんげんとはおもえないうし姿すがたえる

左手ひだりてるうたび ほのお悪魔あくま

肥大化ひだいかしたおそれをいだいて滅多めった矢鱈やたら

侵攻しんこうする 強襲きょうしゅうするほのおへとかかないて

思考しこうさえさえぎあかつづける警鐘けいしょう


ひなびたむらひびわたる あか悪魔あくま哄笑こうしょう

視界しかいにごつづけて ほのおだけがおどはや

避難ひなんうながかねは 教会きょうかいへとみちびいて

悲観ひかんするひまく けるからだふるえる

稲光いなびかり した くろくも滅多めった矢鱈やたら

いかりを散蒔ばらまく いたい はやくママに


めた教会きょうかいなかへと いざなわれるまま

神聖しんせいなその世界せかい 真白まっしろひかり背負しょ

きらいなはずのママの姿すがたたしかめたら

ひらいたこぶしと こころして しずくあや

便乗びんじょうする号泣ごうきゅうするこえごとかかえる

地獄じごくさえさえぎるママのぬくもりをいだいて


ひさいだとびらはらう あかほのおえがいて

ひらいた地獄じごくけてみんながいななさま

飛散ひさんうなが左手ひだりてが 教会きょうかいえる

糜爛びらんするしたく けずるほのお嗤笑ししょう

火先ひさきい 場違ばちがいなあか悪魔あくまやす

未来みらいも 記憶きおくも くしたあかまだら


地獄じごく世界せかい つくほのおが 無闇むやみ矢鱈やたら

ひびかせる瓦礫がれき音色ねいろあおいでいて

いきむ えなくなる視界しかい ママがあや

きて そうって つぶされたママに

ひびれ にじさええ あおめた水晶すいしょう

地獄じごくよりもあかはかな世界せかいえる


たしたあかひびわたる ごえこえる

いたみは枝折しおつづけて そのおと無闇むやみ矢鱈やたら

悲嘆ひたんつたな調しらべては 胸懐きょうかいごと背負しょ

指弾しだんするしたく けるいのちみちびいて

いたしたあかほのおまま

いたみもひかりく なみださえやす


しとしととあやす あおこえこえる

いとしいママに 今一度いまいちどいたかったら

ひとみひらいて あお約定やくじょうわしましょう

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