L×R

.010『おでかけリズム』 : Terza rima

この足（あし）はどこまで行（ゆ）けるのだろうか

泥（どろ）だらけの枯（か）れ葉（は）へと投（な）げかけたけど

恍（とぼ）け戯（おど）けて　不明瞭（ふめいりょう）な回答（かいとう）だ

どれだけ逸（そ）れたって縒（よ）れたって駆（か）けて来（こ）れたけど

それだけじゃ越（こ）えられない壁（かべ）が隔（へだ）てるそうな

これからも乞（こ）うご期待（きたい）だね　さてさてと

声（こえ）を出（だ）せ　燃（も）え上（あ）がれと手（て）を挙（あ）げ吼（ほ）えようか

とても手（て）も足（あし）も出（で）ない夢（ゆめ）へと踏（ふ）み込（こ）め

込（こ）めた願（ねが）い　嘯（うそ）吹（ぶ）き　ひとり口（くち）遊（ずさ）む歌（うた）

おでかけした数（かず）だけ　肥（こ）えて来（き）た声（こえ）を羽織（はお）って

それじゃ今日（きょう）も彷徨（さまよ）って　果（は）てまで進（すす）みましょうか

どれだけ逸（そ）れたってそれさえも是（ぜ）と煽（あお）って

この梯（はし）はどこまで行（ゆ）けるのだろうか

齟齬（そご）だらけの枯（か）れ葉（は）へと投（な）げかけたけど

畏（おそ）れ蹌踉（よろ）けて　不明瞭（ふめいりょう）な回答（かいとう）だ

どれだけ転（こ）けたって悄気（しょげ）たって駆（か）けて来（こ）れた手（て）と

それだけじゃ越（こ）えられない壁（かべ）さえ駆（か）って行（ゆ）こうか

これからも乞（こ）うご期待（きたい）だぜ　さてさてと

声（こえ）も嗄（か）れこれは駄目（だめ）と音（ね）を上（あ）げ折（お）れようが

ぽてぽてと梯（はし）を目指（めざ）し全（すべ）てを吹（ふ）き込（こ）め

留（と）めた願（ねが）い　嘯（うそ）吹（ぶ）き　ひとり口（くち）遊（ずさ）む歌（うた）

おでかけした数（かず）だけ　転（こ）けて来（き）た声（こえ）を保（たも）って

それじゃ今日（きょう）も漂（ただよ）って　敗（ま）けさえ許（ゆる）しましょうか

これだけ遂（と）げたって褒（ほ）め上（あ）げ　袖（そで）をなぞって

拒絶（きょぜつ）された思（おも）い出（で）も　今（いま）では佳（よ）き跋渉（ばっしょう）さ

孤絶（こぜつ）さえ王（おう）の証左（しょうさ）とか酔（よ）っちゃう笑（わら）い種（ぐさ）

途轍（とてつ）も轍（てつ）も無（な）い道（みち）に立（た）ち　さあ行（ゆ）きましょうか

声（こえ）を出（だ）せ　燃（も）え盛（さか）れと手（て）を挙（あ）げ吼（ほ）えようか

面（もて）も手（て）も足（あし）もでかい夢（ゆめ）へと踏（ふ）み込（こ）め

染（そ）めた願（ねが）い　嘯（うそ）吹（ぶ）き　ひとり口（くち）遊（ずさ）む歌（うた）

おでかけした数（かず）だけ　越（こ）えて来（き）た声（こえ）を纏（まと）って

それじゃ今日（きょう）もまた酔（よ）って　果（は）てまで進（すす）みましょうか

誉（ほ）めた音（ね）を手風（てかぜ）と描（えが）け　声（こえ）を辿（たど）って

お目覚（めざ）めしすぐ声（こえ）を預（あず）けた頌歌（しょうか）

おでかけリズムとでも名付（なづ）けましょうか