第11話世話役

和人は、実は悩んでいた。


ヤンキーをして人を殴りつける事に将来への不安。


そんな時に母親に役場隆弘を紹介された。


役場は、役所で公務員をしていた。


和人は、泣きながら役場の前で将来の不安を話した。


役場は、特に何も言わずにいつも和人の話を聞いてくれていた。


しかし、役場はいきなり消えた。


役所で刺されたのだ。


この税金泥棒と罵られて。


和人は、泣き叫んだ。


荒れに荒れて死に場所を探していたのだ。


そんな役場が異世界で魔王になって蘇った。


それを和人は知らない。


魔王の孫となって蘇った役場は冷酷非道な魔王に育った。


北の国、アルピネスを攻めると決めたのも役場だった。


邪魔する者達は役場は容赦無く殺した。


背中を刺された感触は今でも残っている。

殺意を向けられ税金泥棒と罵られた現世。


異世界転生した時には力がみなぎっていた。

現世では、穏やかで優しい人として役場は通っていた。ただ頭が働いて頭脳明晰なだけだった。


いつも無気力で体を動かすのを嫌った。

だから、役場は役所に就職した。


黙っていればエリートコースまっしぐらだった。


将来も約束されていた。


しかし、刺されて呆気なく死んだ。


心残りは、あの少年だった。


不良少年、和人。


母親繋がりで知り合った。


相談に乗っている内に無気力な自分が活気に溢れた。


仕事にも熱心になった。


そんな時に生活保護課に異動になった。

役場の市では生活保護者に厳しい姿勢だった。


そしてある老人の申請を断った。


そして、刺された。その老人に。


役場は生き返った瞬間に鬼になった。



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