1194 他人の痛みを教える為のケジメ

 眞子を拉致しようとした事が崇秀にバレてしまい、一瞬にしてその場が凍り付く。

ただ、このままでは崇秀が相手を殺してしまいかねないので、眞子が必死に説得してその手を止めさせたのだが。

その代わり『首謀者が誰だか立候補しろ。もう一発殴らないと気が済まない』っと崇秀が言いだし、再びその場は凍り付き、そのあまりの恐ろしさに、誰も立候補できなくなってしまった。


そんな中、此処で国見さんが到着し、首謀者である甥の桜井さんの代わりに責任を取ろうとするが。

流石に此処で黙ってられなくなった桜井さんが「自分が首謀者だ」っと自ら名乗りを上げた!!


***


「ほぉ。今更になって、テメェの尻はテメェで拭くってか?そりゃあまた良い度胸じゃねぇか。けど、なんで殴られるのが解ってて心変わりした?」

「叔父貴は……叔父貴はさぁ。俺や、そこに居る俺のツレみたいに、親にも見捨てられた、どうしようもない馬鹿不良共を育ててくれた親同然の人なんだよ。だからさぁ。俺……そんな叔父貴が、俺のせいで理不尽に殴られるのなんて見てられねぇしょ。だからさぁ。叔父貴を殴るなら、当事者の俺を殴ってくれ」

「「「「「そっ、そうだ!!俺達でも良いぞ!!いや、桜井と同罪である俺達を殴れ!!」」」」」


そぉ……それで良いんだよ。


人間は愚かな生き物だから、誰しもが過ちを犯してしまうものだけど。

間違った事をした自分を、そうやって自らで認め。

謝罪し、相手が許してくれるまで誠意を見せ続ければ、いづれ、日の目を見る事もある。


そうやって、大事なものを護れる様になれば、人間としても成長していける。


それは、どんなクズな人間であっても、必ずしも心のどこかには持っているもの。


それが見つかって……良かったね。



「ハッ!!そうやって、みんなで庇えば、助かるとでも思ったか?甘えんじゃねぇぞ。テメェ等のやろうとした事は、この世で最も許されざる行為なんだよ。だから、罪を噛み締めて、一回死んで来いや」


嘘!!


崇秀さんは、お互いを庇ったのに、加害者全員を容赦なく殴って行く。

それも本気の本気だから、たった一撃でも、完全に意識を刈り取られ。

全員が白目を剥いて、口から大量の泡を出して、全員がグッタリしている。


なんでワザワザこんな事を……


そして最後に、甥っ子の前に立つ。



「おい、オマエ。今度こんな真似したら、この程度で済まねぇからな。よくこの痛みを噛み締めとけよ。またこんなクダラネェ事し様としてる自分が居たら、この痛みを思い出しな。……俺は、何所からでも、テメェ等を見てるからな」


そうかぁ。


これが鮫島さんの言っていた【他人の痛みを知らないから、酷い事が平気で出来る】って理論に基づいての行動原理だったんだ。


それ故に、自分の痛みを知って、初めて他人の痛みを知る事が出来る様になる。


これを知らなきゃ、根本的な躾が始まらないって事か。



「ぐぅ……」

「オイ、糞ガキ。テメェも良い大人なんだったらよぉ。返事ぐらいしたらどうなんだよ?」

「はい……」

「おぅ……じゃあ、テメェも痛みを噛み締めて、最後に目一杯死んで来い」

「ぶっはっ!!がぁぁああぁぁぁはぁあぁあぁ~~~!!」


甥っ子は、誰よりも遠くまで飛ばされた。

当然、意識なんてものは完全になく、吹き飛ばされた後も体がピクピク痙攣しているだけで、それ以外は動く気配もない。


でも、これが切欠で、なにかが少しづつでも自分の中でなにかが変わると良いですね。


私は、心からそう願います。



……でも今回ね、私、凄く解った事が1つあってね。

『知り合いには幸せに成って欲しい』って、私の持論が有ったでしょ。


あれね。

今の崇秀さんの行動を見てて、ヤッパリ、間違ってなかったんだと思う。

どんな行為であれ、間違いを正す事は、その相手を『幸せ』に導く示唆になるからね。


まぁ今回は『暴力』って言う一番使っちゃイケナイ行為を使っちゃったけど、これも1つの、他人を導く示唆だったと思う。


……けどね。

私個人としては、ヤッパリ暴力反対なので、違う方向を模索したいと思います。


なんか後味は凄い悪いけど、色々と良い勉強になりました。



「……ったくよぉ、最近の大人は、一体どうなってやがるんだよ?俺みたいな餓鬼に教えられねぇと、解らねぇ程度のモラルしか持ち合わせてねぇのかよ?とんだ大人だな、国見さんよぉ」

「スマンなヒデ坊。迷惑掛けたな」

「ハハッ……まぁ今回は、一貸しって事で水に流すけど……あの馬鹿共が、本気で眞子に手を出してたら、アンタ共々許してなかったぜ。まぁ精々、そうなら無い様に気を付けるこったな。……あんま俺を侮るなよ、国見さん」

「あぁ、心しておくよ」


なにか2人で話てるみたいだけど、なにを話してるんだろうね?


崇秀さんの眼が、まだ怖いんですけど。



「おぉっし。んじゃま、遅くなった事だし。眞子そろそろ帰るか」

「あぁ、うん」

「怖い思いさせて、ゴメンな」


あぁ……いつもの崇秀さんだ。


この優しい表情を見ると安心するね。

だからこそ、いつもの、この優しい表情が曇らない事を望みます。


これで、今回の話はお仕舞いです。


***


―――次回予告。


眞子「ふぅ……大変な1日だったね。ちょっと疲れちゃいました」

真琴「あぁ、そうだな。俺もこの日、勉強ばっかりしてたからなぁ。あぁ~~疲れた」

眞子「お疲れ様。ちょっと頭が良くなって良かったね」

真琴「泣かしたろかオマエわ!!俺も本編に出たいわ!!」


眞子「なんでよぉ?こうやって、次回の予告に『だけ』は出れてるんだから、別に良いじゃない。文句言わないの」

真琴「(´Д`)ハァ…、なぁ、眞子。ちょっと聞きてぇんだけどな。俺……この物語の主人公だよな」

眞子「そうだよ。真琴ちゃんが主人公だよ」

真琴「じゃあ、それを差し置いてまで、シャシャリ出て来る眞子ってなんなんだよ?」


眞子「さぁ……なんだろうね?まぁまぁ良いじゃない、そんなの些細な事だよ。そんな事よりさぁ。予告やりなよ、次回の予告。ほらほら、どうぞ。いっぱい喋りたかったんでしょ」

真琴「また、なんか呈良く騙されてるな」

眞子「騙してないから。ほらほら、どうぞどうぞ」

真琴「じゃあ、やるかな」

眞子「(結局、騙されてるね、この人)」


真琴「さて、そんな訳で次回は、いよいよ本格的にライブ編に突入だ。……っで、お題はだな……」



『③Well Come to Special-Live【Mako`s-interval】』

「③ライブにようこそ【眞子の休憩】」



真琴「を、お送りするぜぇ。……って、ちょっと待てぇい!!」

眞子「うん?どうかした?」

真琴「おかしいだろ!!次回のサブタイが、明らかにおかしいだろ!!」

眞子「うん?なにが?なにがおかしいのか、眞子、よくわかんない」

真琴「最悪だよ。……まただよ。また独占する気だよ。……ったくよぉ。『画面の中の眞子』は、そんな酷い事を、一度たりとも俺にはしないのになぁ。なんで現実の眞子はこうなんだろうな。最悪だよオマエ」


眞子「うぇ……ってか、真琴ちゃん。まだ、あれ、やってたんだ?」

真琴「当たり前だ!!こう見えても俺は、眞子の名プロデューサーだからな」

眞子「うぅ~~~わっ!!キモ!!正直引くわ」

真琴「やかましいわ!!そう思うなら本編に俺を出せ!!つぅか、なんでも良いから出せ!!予告じゃなくて本編に出せぇ~~~い!!」

眞子「うん、次の次からね。……じゃあねぇ♪」

真琴「……鬼かオマエわ」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>

これにて第一章・第七十一話【②Well Come to Special-Live【Tokyo-Doom】②ようこそライブへ【東京ドーム編】】はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?


一応、桜井さん問題も、何とかこの一話内に収める事が出来たのですが。

本編でも書かせて頂いた通り『自身の痛みを知って、他人の痛みを知らなければ意味がない』『反省するだけではダメ』と思い。

思いっ切り、桜井さん達をぶん殴ってみました。


まぁ桜井さん達も『拉致するつもりだった』とは言っても、勿論、強姦するとかのつもりは一切なく。

やり過ぎたとしても、冗談半分で胸を触るぐらいのつもりの拉致だったのですが、それでも犯罪は犯罪。

特にそれだけでも、女性にとってはトラウマ級の恐怖を植え付けられる事に成りかねませんので、思いっ切りぶちのめした次第でもあります。


これで少しでも桜井さん達も更生出来れば良いんですがね。


まぁ出来なきゃ、また崇秀にぶん殴られますが……


さてさて、そんな中。

次回からは第一章・第七十二話『③Well Come to Special-Live【Mako`s-interval】(③ライブにようこそ【眞子の休憩】)』が始まる訳なのですが。

流石に、こんな目に遭った眞子を、このまま放置する訳には行きませんので、そのフォローアップをしたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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