聖暦2000年 桜芽 火の日
王都に向けて村を発った。
道中、魔物だったり動物に襲われる危険がある為護衛がついた。護衛役の村長の息子は少し複雑な顔をしていた。自分が勇者になるんだと思ってたらしい。それなのに18個年下の俺が選ばれた。殺されないか不安だったが、俺を殺したら人類が聖国総出で殺しにくるから手を出せないだろう。そう思い込むことで馬車の中でも寝られた。もう1人護衛で幼なじみが来てくれた。彼は創造の魔法を貰った。光の魔法よりよっぽど勇者らしいが、国は、神はそれを認めない。
彼が創れる物は彼が触れたことあるものだけらしい。だから、聞いた事あるや、見た事あるでは創れないから不便だと笑っていた。
もしかしたら人も創れるのでは?と思ったが声には出さなかった。本当に創れてしまった時が怖い。
揺れる馬車の中で僕とミキは色んな話をした。テストを受けなくてよかった、とか。これからどうやって生きていこう、とか。勇者ってなんだろう、とか。神様ってどんな人なのかな、とか。村長の息子、ユイダはそんな僕らの会話に少しだけ混ざってくれた。テストは俺も嫌だった、とか。これから大変だが、頑張れ、とか。勇者だからって頑張りすぎなくていい、とか。
特に最後の言葉が嬉しかった。勇者になったからには頑張らないとって思ってたから。ユイダはいい人だ。殺されるかもとか思ったのが間違いだった。
今日は野宿になった。交代で見張りをして魔物や動物から身を守る。ミキが家を建ててやろうかと言ったけど逆に目立つし怖せないからダメって話になった。その代わり、布団?ねぶくろってやつを創ってくれた。あんまり寝心地は良くない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます