空を見上げて

海星

第1話 時の扉

『ごめんなさい…。ごめんなさい……。』

『泣かないで!うるさい!静かにして!』


小さな女の子が散らかった部屋の中で叩かれながら


『あぁもう!寝れない!出ていって!』


母親にそう怒鳴られ女の子が家の外に出て泣きながら膝を抱えていた。




―――――――――――――――。


『…もう大丈夫。おいで。一緒に行こう。』

『お兄ちゃんだれ?…どこ行くの?』

『楽しい居場所。大丈夫。何も怖くないよ。』


―――――――――――――――。



――――――数年後。


『沙耶!ちょっと来なさい!』

『なに?』

『部屋が汚い!』


養母が沙耶の頬を思い切り叩く。


『……ごめんなさい。』



またある時は、


『沙耶!なんでお母さんの言う通りにしないの!!』


そう言ってまた沙耶を叩く。




幼い沙耶は実母からの虐待にあい、

施設に入ったがその後、引き取られた養母にも虐待を受けていた。



僕は大人になってから沙耶と出会った。

でも、話を聞く程に、小さい沙耶も助けてあげたいと思った。


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