本当は。

「本当は」と言うたびに今まで告白してきた全てが嘘になる気がした。別に今までの全てもその時は「本当は」だったのかも知れないのに、私たちはいつも本当に本当を塗り重ねて偽りの偽りを量産している。

だとしたら「本当は」なんて告白に意味があるのか。

本当は。本当は。本当は、何だ?

真の中から真を取り出そうとして、本当はと言って、すると途端に真が丸ごと偽りになる。

本当は。本当は。本当は、偽りなのか?

わからなくなってしまった。何が本当なのかも、考えたくないのです。

考えたって最後に行き着く先は嘘なのだから、誰にも信じて貰えない。

本当は。本当は。本当は。

一体、何だと言うのか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る