透ける悲しみ

列車に乗る

車窓の朝日が眩しくて

咄嗟に光に手を翳すと

肉の塊が赤く透ける

まだ生きているのだと思う

この赤いろの内側に

一体いくつの悲しみが蓄積して

肉に透けているのかと思う

拍動に従って全身に周り

だから身動きできなくなる夜が

いくつもあるのかと思う

それでももつれた足で

立たなければならなかった

まだ生きているのかと思いながら

立っていなければならなかった

人が死んでゆくたびに

自分の生が重くのしかかる

生き残った責任があるとしたら

それはきっとどんな罪よりも

重いのかも知れなかった

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