第二十話
フィリーシアside
私はフィリーシア。種族はハイエルフで、森で一人で平穏に暮らしていました。母は10年くらい前に亡くなり最初は泣いていましたが、精霊達に励まされて、母と過ごした思い出の家を守っていました。
私がいつも通り母が書いた魔術書や薬草などの図鑑を読んでいた時でした。周りに貼ってあった結界が突然壊れ、盗賊達が入ってきました。私は精霊達と戦おうとしました。ですが、盗賊は魔法や魔術を使えなくするマジックアイテムを使い、私はなすすべも無く捕まりました。精霊達は必死に私を助けようとしてくれましたが、突如現れた魔人にやられてしまいました。
そこから、私は魔力封じの力がある檻の中に閉じ込められた。暗い洞窟の中に連れてかれ、私は悲しみと不安に押し潰されそうだった。そんな時、彼が来た。
魔人を倒したと言う人間は私について聞いてきた。私は疑心暗鬼になっていて、彼を疑っていました。きっとこの人も私を傷つける、と。その後、魔族が現れ、彼は逃げずに戦った。黒き天災の力を操って魔族を終始圧倒し、倒して見せた。私はこの時、心の底から安堵した。それでも不安は消えず、私は滅茶苦茶なことを言っていた。
彼はわたしが落ち着くまで待っていてくれた。それが少し嬉しかった。鎧を着た人達相手に一歩も退かず素手で戦った事は素直に凄いと思った。特に鎧を素手で破壊した時はビックリした。
そして、貴族?の人達に保護されて、綺麗でキラキラした部屋に案内された。そこで私は色んなことを考えた。私は生まれてから一度も森を出たことがなかった。だから今回の事はとても刺激的だった。魔族に捕まった時は絶望しててそんな事を考える暇はなかったけど、ロストさんに助けられて私は世界の広さを知った。母から散々聞かされた黒き天災を従える人。きっと、ロストさんは英雄様なんだと思いました。
私はもっと世界を知りたかった。だからロストさんに着いて行く事にしました。家で読んでいた本の内容を思い出しながら、貴族の女の人にメイド服を何着か貰らいました。会議が終わる少し前にロストさんが来るだろう部屋に行って、メイド服に着替えて落ち着かない気持ちを抑えるように床に正座してロストさんを待ちました。
部屋に入っていたロストさんは戸惑っていました。昨日はあんなに勇ましかった人が戸惑っている姿に、失礼と思いながらも可愛いと思ってしまいました。結果的にロストさん、いえ、ご主人様は私の同行を許可してくれました。私に貴重なマジックアイテムをくれた時は内心はしゃいでいました。母以外の人からの贈り物なんて初めてで、イヤリングをつけて欲しいと我儘を言ってしまいました。
その後は、私の武器や食料を買いに行きました。その途中でローブ姿のお婆さんが突然、私に香を渡してきました。なんでも人の生存本能を高める物だとか。それで夜這いしな、と言われた時はもの凄く恥ずかしく顔が真っ赤になっていたと思います。
宿でお婆さんが言ったとおりに香を焚いて、ご主人様の部屋に行きました。ご主人様はかなり熟睡していたのか体を揺らしても中々起きませんでした。時間が経つにつれて羞恥心が膨れて、急いで部屋に戻りました。その次の日にご主人様から弁解を述べられ、居た堪れない気持ちになりましたが、女として少しは意識してもらえていると分かり少し嬉しくなりました。
私の戦い方をご主人様に見せて移動していると、綺麗な女性がご主人様と親しげに話していました。キアラさんという人で、話した限りでは良い人でした。でも、ご主人様がキアラさんと話している姿を見た時、モヤモヤした気持ちになったのは何故でしょう?この気持ちは今は分からないけれど、旅をしていく内に分かるようになると思って深く考えない事にした。別れの際にキアラさんに、取らないから安心して、と言われた時は訳が分からず首を傾げた。
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作者です。これで第一章は終わりです。続きは書いていますが、勢い任せで書いたので、投稿に少し間が空くと思いますのでご理解お願いします。
シアが可愛いと思った方は★と応援お願いします。
オマケ 魔術と魔法の違い
魔術は魔術式を使い、魔法と同じ事をする技術の事で、魔法は魔力を直接操り様々な事象を起こす技術です。魔術と魔法の決定的な違いは魔術式の有無であり、魔術は魔法より発動速度や威力が劣りやすいが努力次第で誰でも使え、魔法より応用がしやすい。魔法は魔術より発動速度や威力が高いが、使うにはある程度の才能が必要で、魔術より応用がしずらい。
魔道具では、基本的に魔術が使われており、魔法で作られた魔道具はマジックアイテムと呼ばれている。マジックアイテムは通常の魔道具よりも高性能なのが多いが、製作するには高い魔法適正と貴重な素材などが必要で、基本的に流通している物のほとんどは迷宮で発見された物ばかりになっている。
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