第2話 異世界への転生

「それなんですか?」


自称女神様が取り出したものはよく分からないものだった。


・・・透明な石?


「これはねー霊魂石れいこんせきっていう個人情報や今まで歩んできた道、その人の本質などを写し出す鏡のようなものだよ」


「それじゃあそれって誰の・・」

「それは勿論貴方泉蒼いずみそう君、君のだよ?」


「・・なんでそんなもの持ってるんです?」


「それは勿論君のお願いを叶える為に決まってるでしょ?」


「俺の願いを叶える為に霊魂石を?」


「そう。だって願いを叶えるって言っても方法は沢山あるでしょ?だから霊魂石を見てその人に合った願いの叶え方をするの」


「ということは本当に女神様なんですか?」


「だからさっきからそう言ってるでしょ!!」


自称女神様がプンプン怒りだしてしまった。


それにしても・・本当だったのか。ビックリしたがなんとなく経緯と目的は分かった。


しかし、それなら真琴はどこに行ったんだ?


「女神様、それなら多分真琴って子も俺と一緒に来たと思うんですけど知りませんか?」


「ああ!その子なら、もう一人の女神の方の担当だったからそっちに行ったと思うよ?」


「それなら無事なんですね!?・・・良かったー」


その時俺は安心して気が緩んでいたのもありその言葉を聞き逃してしまった。


「ふーん・・・貴方意外といびつね。面白そうだしまあいっか」


「それじゃあ願い叶えるけど、恋を叶えるのを主として、サービスでそこに色々付随してオプション付けられるけど、何かある?」


「これって元居た場所に戻りたいとかって駄目ですか?」


「それは原則として無理だよー。こっちに呼んだ以上こっちで最後まで精魂尽き果てて貰わないと」


そうか、それなら俺はもう決まっているけど確認したいことがある。


「もしかして俺がいた世界と違う世界に行くことになります?」


「そうだよー。剣と魔法とその他諸々がある世界だよー」


「オプションというのは?」


「身体に関するオプションとスキルっていう特殊な技能のオプション、後は特に無いかな」


「身体のオプションは?」


「身体能力や年齢といったものかな?それ

以外は本人に最も適性のある種族になるよー」


「スキルというものは自由に選んで取れますか?」


「うーん。基本的にはそうだけどそれも本人に合うスキルじゃないと取れないかなー」


「大体分かりました。俺が取れるスキルって一覧で見れたりとかします?」


「大丈夫ーそれっ」


女神様が気合いの入ってない声を上げて手を振ると、俺の前にスキル一覧が書かれたパネルのようなものが出てきた。


「これってスキル名だけだけど、効果って見れます?」


「それは駄目かなー。それを教えると私が送った後、面白く無くなるしね」


何が面白く無くなるのか分からないが、教えてくれないならしょーがない。

こんなんでも女神様のようだしサービスって言ってたからまだ貰えるだけマシだろう。


「スキルって何個まで取れます?」


「3つあげるよー!!」


「3つか・・それなら、これとこれとこれかな?この3つにします」


「オッケー分かったー。それじゃあ身体のオプションはどうする?」


「向こうの世界って危険だったりします?」


「うーん・・まちまちかなぁ?超危険な地帯もあれば、ゆっくり過ごせる所もあるよ」


それならこうするか。


「それなら足は出来るだけ速くて、体も丈夫な方が良いかな。それと年齢は今と同じ18歳でお願いします」


「オッケー大体把握。それと、私の加護とかも適当につけといたから神殿行ったら見れると思うよー。スキルは強いけれど特殊なスキルも多いし、スキルによってはデメリットなんかもあるから使い方には気をつけてー。それじゃ行ってらっしゃーい!」


女神様がそう言うと、俺の身体は眩いぐらいの光に包まれていく。

次の瞬間、俺の意識は途切れた。

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