異世界に転生したら思ってたのと違う!?
辻キア
第1話 自称女神様との対面
「好きです。付き合って下さい!!」
「ごめんなさい!!」
「・・せめて理由だけでも」
「・・ごめんなさい」
玉砕だった。
もう20回目だ。振られるのは・・
「なんでだ!?好かれる努力はしてるし、
容姿にも気を遣ってる。実際卒業アルバム
のクラス内で一番人気な人では一位にもな
った。駄目な理由も誰一人として教えてくれないし、神様はきっと俺のことが嫌いなんだ!!」
思いっきり叫ぶ。そうすると落ち着いてきた。
振られるのももう20回目だ。いつまでもうじうじしてはいられない。
「今日でもう卒業なのに結局高校でも彼女出来なかったなぁ・・・」
しょーがない。アイツのとこにでも行くか。
俺は通っている学校の校舎裏から、自分の教室だった所に戻って来ていた。
「
そう言って教室のドアを開いてドアの隙間から顔を出して教室を覗き見る。
「ここに居るよ。また振られたの?」
真琴は教室の隅っこに居た。
それにしても俺の幼馴染兼、親友は相変わらず小さくて可愛い。いつも学校では一緒に居るが、仲良くなった女子は大体真琴目当てだった。
まあ当の本人は可愛いって言われるの嫌いっぽいけど。
真琴の席の前まで行って愚痴る。
「また振られたよ。理由も教えてくれないし真琴は何で彼女作らないんだ?おまえが彼女作らないから俺に彼女出来ないんだぞ?」
「それは関係無いと思うけどね」
「いーや、絶対そうだね!!」
「・・相変わらず
「当たり前だろ?俺は諦めたり、途中で辞めるってことは大嫌いなんだよ」
「まあ蒼ならそう言うと思ってたけど。それなら僕と・・」
真琴が何か言いかけた瞬間、突然教室の中央の空間にヒビが入った。
次の瞬間、俺は意識を失った。
◇◇◇
目が覚めるとそこは一面真っ白な空間だった。
「・・・ここどこだ?」
どこを見渡しても白い空間が果てしなく広がっており、他には何もない世界だった。
「目が覚めたか?」
突然そんな声が聞こえて慌てて振り返ると、そこには宙に浮かぶベッドに、寝そべって抱き枕を抱えているなんとも形容し難い美女がいた。
「どうしたのだ?固まって」
一瞬思考を手放しかけたが、依然目の前には
めっちゃオタクっぽい女性がいる。
「・・あのーどちら様?」
「我は其方のような者たちから女神と呼ばれておる存在じゃ」
「・・・・え?貴女が女神様?」
しかし、それにしては人間味のある姿をしている。
ベッドに横向きで寝そべって抱き枕を抱え、頬杖をついている。服装もタンクトップにホットパンツという現代感溢れる服装だ。
だからこそ信じられない。
この人が女神だと信じられない。
「・・嘘ついてません?」
思わず口から飛び出してしまった。
「な!?本当よ!!どうして疑うの?こんなに神々しい見た目をしているのになんで信じてくれないのよ!!」
「だって女神っぽくないですよ?それで眼鏡かけてポテチ食べてたら完全に現代オタクですよ」
「そ、そんな!?だってそっちの世界の男の好みを調べたらオタクっぽい美女って意見が多かったからそうしたのよ!?おかしいじゃない!?」
「・・随分偏った意見を取り入れてますね」
「それに、喋り方や服装もわざわざ変えたのに・・うわああーん」
泣き出してしまった自称女神様。なんだかこっちまで居た堪れなくなってきた。
「な、なんかすいません・・きっと良いことありますよ!」
「・・ほんと?ほんとに良いことある?」
慰めると途端に泣き止んでこっちを見る自称女神様。
仕方ないので俺に出来る最大限の笑顔を浮かべて肯定する。
するとすぐ元気になった。
「あのーそれでなんで俺こんなところにいるんですか?」
結局未だに現状把握が出来ていないので、取り敢えず目の前の自称女神に聞いてみる。
「えっとねーそれは私が貴方を呼んだの!」
全く理解出来なかったが詳しく事情を尋ねると、どうやら俺がここに来たのはこの自称女神の仕業だったらしい。
色々と言いたいことはあるが、まず・・
「なんで俺を呼んだんですか?」
「うんとねー、貴方の願いを叶える為に呼んだの!!」
俺の願い?なんのことだ?
「貴方の恋を実らせてあげる!!」
唐突な宣言に驚いていると女神様は急に何かを取り出して弄り始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます