魔法高校交流戦編Ⅲ (準)
「それで?今日放課後に私を呼んでくれたのはこの間の交流戦の件に対する返事?」
学校の食堂の端の席に座った卯月琴が言った。
「はい」
「意外と早かったね」
「交流戦本番もどうやら近いようですので」
「そう、じゃあ返事を聞かせてもらうよ」
雫、透、永原の三人の向かいに座った彼女が期待の眼差しを彼に向けている。
「参加はさせて頂きます」
「よかったあ!」
彼女は安心したように一息ついた。
「ですが参加するのにこちらからもいくつか条件があります」
「条件?・・・・え、まさかそういうこと⁉︎」
自分の体を隠すように両腕を交差させて肩に置いき目の前の透から離れた。
雫と透の冷たい視線が向けられた。
少しして彼女も自身の肩から手を下ろした。
「参加するのは俺だけではなく、ここにいる三人全員が参加するというのが自分からの条件です」
「全員か・・・・それは私だけじゃどうにもならないよ。私が透君を呼んだのは人手不足もそうだけどあの魔法破壊を見てたからなんだ、私は今回の交流戦種目のGMMの高校代表みたいな立場で、この役職の人は生徒から一人選んで推薦できるんだよ。でも三人はね」
「そうですか、でしたら今回の参加の件は・・・・」
透が匂わせるように言い、席を立とうとすると瞬時に机の向こうから後輩を捕まえる手が伸びてきた。
「ちょっと待ってちょっと待って、今君に断られたら困るんだよ・・・・もう参加届は出してるしそれに他の二人の子が参加する方法は他にもあるから」
彼女の口から溢れた言葉を聞いて疑いの眼差しを向けながら透は一度たった席に座った。
「ありがとう!」
「・・・・それで?、他に参加する方法とはなんなんですか?」
「明日ぐらいに言われると思うけけど交流戦の学年ごとの選抜があるんだ、それで上位10位くらいに入れば参加できるはずだよ」
「10位ですか・・・・」
「どうしたの?難しい?」
考え込む透の隣の雫に視線を向けながら言った。
「それとも手加減が難しいってことかな?」
下に向いていた透の眉が一瞬上下した。
「別に私には隠さなくてもいいよ、私見えるから」
二人を心臓を締め付けられるかのような冷たい感覚が襲い締め付けられた。その隣でなんのことか理解していないただ一人の永原はどのような行動をとるべきか悩みあたふたとしていた。
「それで・・・・・・・・どうするの?学年別選抜、出るなら私が代わりに申込書出しといてあげるけど」
透の冷たい氷の様な青い鋭い瞳が琴を見つめた。
「そんなに怖い目を向けないでよ、これは優しい先輩から後輩へのただの気遣いだからさ」
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