のうこつ

 納骨は兄妹3人だけで質素に簡素に終わらすつもりでいたんだけど、兄家族、妹家族、母も来るかも。流石に納骨後の午後に弁護士事務所行くのは3人だけのつもりでいるけど(そこに母が立ち会うかどうかはまだ未定)納骨とその後のちょっとした飯は大所帯になるかな。一応霊園近くにある個室のある鰻屋の個室取ったわ。小さい子がいるので。ちょっと時期が差し迫ってるけどあっさり予約取れてラッキーだぜ。鰻はいつでも食いたい、出来れば人の金で。

 なんか兄家も妹家も子供産まれた時に父が結構お金出したみたいでさ、義理があるからってわざわざ家族総出で来てくれる。

 そういやウルトラお迎えした時もゲージとかリードとかお散歩グッズとか犬と暮らすために必要なもの、父が半分位払ってくれたな。

 私が希望してお迎えしたんだから私が全責任を持つよ、って言ったんだけど、犬でも命は命だろ、父さんと母さんもそのワンコと一緒に暮らすんだし、って。

 父、家庭内でめっちゃ存在感あるタイプではなかったんだけど本当に悪い人じゃなかったんだよな。それが死なんとわからんなんて皮肉な話だよ。

 兄妹は特に大きな不自由なく大学までいかせて貰った。女に学はいらんとか言うバカな人ではなかったし、むしろ女だからこそ勉強いっぱいしておけ資格沢山取っておけって口うるさくて、門限にもうるさかったけどさ、それは娘なら心配なのはしゃーないよなってことに大人になってから気付くんだよな。

 兄貴は子供の頃からなんでもそれなりにそつなく出来るタイプで要領良かったから、父も口うるさくあれこれ言わなくても良かったんだろうなというのもある。私と妹は口だけちゃらちゃら達者でスロースタータータイプなのも否定しない。そりゃうるさく言うわ。

 とりあえず弁護士の事はその納骨の時に詰めるつもりでいたんだけど、なんか和歌山行く前にモヤモヤしたくなくて今日仕事の合間にフライングで電話した。

 そしたら大した理由ではなく「一人で実家にお話に行く事に不安があるのなら誰かしら信頼できる人を連れて行くのも良いですね、出来ればある程度地位のある成人男性が良いのではないでしょうか」というアドバイスをしただけだってさ。さっさと聞けばすっきりする話な。

 そうなるとずっと世話になってるタカハシさんか、啓二おじさんと仲の良かったカワフチさんのどちらかを選ぶだろうなと思う。兄貴は仕事があるから気を使って声を掛けなかったんじゃないかな。去年位に昇進して部下が増えたって言ってたのを父も知ってたから。

 なんでもかんでも小説とか映画みたいに深い意味や裏があるわけではない。現実とはそういうもんだな。

 

 私は今旅の準備をしています。

 夜10時に友達夫婦が車で迎えに来る。

 父さんの日記も髪の毛入れたジップロックもスーツケースに入れた。あとは最低限の着替えと化粧ポーチ、百均のマスク25枚入り一袋、充電器、財布と鍵とスマホ。海外じゃないしそれだけありゃ余裕でなんとかなるわな。靴は去年買ったティンバーランドで良いよな?


 早苗おばさんはさっき仕事終わってからスーツケース持ってうちに直接来て、母の作った夕飯一緒に食べて、母と一緒にウルトラの夜の散歩に行ってる。ウルトラ、早苗おばさんに結構懐いてる、良かった。昨日うなされてたのなんだったんだろ。

 急がなきゃ。

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