第30話


「待って」


「どうしたの、優」


「結婚して欲しい」


「どうして、私は優に嫌な思いをさせてまで結婚したいとは思わないよ」


「ありがとうお姉ちゃん。でも俺はこのままじゃ、負けたままなんだよ」


「ゆ、優」


俺はずっと毎日に過去に怯えながらずっと、思っていた。


このままでは過去に怯えて、何も出来ずに時間だけが過ぎて行く。


お姉ちゃんの幸せも奪いながら、過去のあの人達から逃げる。


そんなんじゃ、一向に自分を幸せには出来ない。


こうやって倒れたばっかりだけど、最初から今回はどんなことがあっても学校を続ける覚悟は出来て居るんだ。


それに、さっきはちょうど運動もしようと決めた。


「これは、別にお姉ちゃんの為だけじゃない。」


もう嫌だ。あんな奴らに怯えるのも、こうやって何度も気絶するのも、


耐えるんだ。前に進むんだ。もう高校生だろ、このきっかけから逃げるな!

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