第11話

「お兄ちゃん!!」


すっごく会いたくない。つか本当にどうしてここに居るんだよ?


「お兄ちゃん、本当だったんだ。この高校に入学してたなんて」


全身が吐き気がする。でも既に十分苦しかったので、今はまだ弱い。


「・・・私、お兄ちゃんに謝りたくて事情も何も知らないで」


「・・・」


早く逃げたい。もう嫌だ。どうして、だよ。どうしてみんなは俺に話しかけるんだ。


もう嫌だ。これ以上あのときのことを思い出したくない!!向き合いたくない!!


「お兄ちゃんは、本当は命の恩人だったんだよね。」


そうだよ!!だけど俺はお前にお前達に散々なことを言われた。


「それに、辛い目に遭わされたって」


辞めろよ。ふざけるなよ。なんで知らないよう口調なんだよ。あの時そのことでクラスメイト達も笑っていただらう。知らないわけがない。


「・・・お兄ちゃん、ごめんなさい。家も追い出して私は、私は」


そう言って、妹は泣きながら土下座して来る。


やめろ。そんな体制俺に見せるなよ。嫌だ辞めて、触らないで


「触らないで」


「お兄ちゃん、どうしたの、お兄ちゃん」


「うぁーーーーー!」

 

そうして、優は怒りで我を失い



上を見ながら、走った。


「お兄ちゃん!!お兄ちゃん」


そして


ドンっと!!音が鳴り


トラックに轢かれた。

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