魔法オタクの俺が前世からやりたかった魔法を出したら周りから目が一気に変わったですけど

人中の蝮

第1話、俺?俺はただの魔法好きなオタクですけど

「コノハ・アルバート、お前との婚約を破棄する!」



ここはとある国のパーティ会場である国の第一王子が元婚約者に対して婚約を破棄をしていた。



婚約者はどうしてですか、私がなにか致しました殿下と言うと王子はこれが証拠だと言って証拠らしい物を突き出したが婚約者のコノハはこれは真っ赤な嘘です、私がこんな事をするわけないじゃないですかと否定していた。



しかし、王子は既に決めた事だと言って無理矢理にコノハを押し出した。そうしながら王子は冷たい目で言うのだった。



「それにお前はハーフエルフであり、半分は人間とは違う血を入っている。それだけでもかなり目障りだと思っていたのにもう我慢にならない。ここにいる彼女が教えてくれなければ自分はお前の正体に気がつけなかったであろうな」



そう言って王子の近くにある女性が抱きつくようによってからコノハに対して少しばかり笑みを見せていた。



そう彼女はハメられたのだ、彼女は怒りを表に出しそうになりながらもそんな女を信じるのですか殿下と言うと当たり前だろと言って既にコノハは悪者にされていた。



その上で彼女に助けに向かおうとするものは現れるのかと見ている皆がそう感じていた。



確かに王子の隣にいる女性は何か裏があるのではないかと言われているが目の前のハーフエルフを助ければ間違いなく王子・・・いや、未来の王様から嫌われては貴族としてはこれ以上もない不都合なので誰も助けることはないだろうと思われていた。



そんな時に一人の男がハーフエルフのコノハの所に近づいて声をかけるのだった。



「今の見ておりました、コノハさん。王子から婚約を破棄されたのですね。それではお願いがあります、俺と婚約をして頂けないでしょうか。前は王子との婚約があると聞いて諦めておりましたが今ならそれも無くなりましたのでどうか、返事を頂けますか」



そう、未来の王様になるかもしれない相手を何事もなかったように挑発行動するものが現れたのである。



それで怒った王子が怒鳴り声でその男に対して言うのだった。



「貴様は何者だ!この国の王子であり未来の王様に対して喧嘩をするような行動をするようなやつは名を名乗れ」



「これは挨拶が遅れてしまいました、俺はマサキ・フリードと言います。この度は王子殿が婚約を破棄されてと聞きましてその相手に婚約を申し出ているところでございます、何か不便でも怒りを買うような事でもしましたでしょうか?」



そう言うと王子はお前の殆どだ!!と言ってからこんなやつはと言おうとした時に奥の方で座ってみていた王様がこのバカ息子!!と言ってから仲介に入り始めた。



すると流石の王子もですか父上、あの様な王族に対して無礼な態度を取るやつを処罰をしなければ威光は保てませんと言うと王様はお前は目の前の男に関して何も知らないのかと飽きられながら言われた。



王子はどうせ貧乏貴族ぐらいなのでしょうと言うと王様は王子に対して答え始めた。



「良いか、バカ息子よ。目の前にいるその男はマサキ・フリードと言って神々ですら編み出すことができなかった融合魔法を編み出したこの世界始まって以来の天才だと神々からも認められている男であるぞ。その上にこの王都も救い出した英雄をお前はどうするつもりなのだ、追放なら先にわしがお前を追放するぞ!このバカ息子が!!!」



先程の息子さんに負けないぐらいに大きな怒鳴り声を上げて王子に言うと流石の王子も怯みながらマサキ・フリードの方を振り向いた。



マサキ・フリードは笑みを出しながら陛下の申すとおりですと答えた。それを聞くと王子の表情はみるみると青くなって来ていた。そしてそれを見ていた周りの者たちがざわつき始めた。



「では、あれが噂になっている鬼才とも呼ばれている王都を救った炎と風の魔法使い・・・若すぎじゃないか!?」



「それに私の話だとあのファイアーワイバーンまでテイムしたと言う噂も聞いています。それだけでも異国に対して強いとアピールを出来ると言われているあのファイアーワイバーンを」



「若いとは聞いていたけどこんなに若いとは思いもしなかったぞ。そのような偉業を成し遂げた英雄が若いならこの国も安定だ」



様々な人がマサキ・フリードに対して噂をして見ていた。その青年または少年とも呼べるほどに若くまだ16、17歳ほどであり対峙している王子と年齢はあんまり変わりはなかった。



それだけにその実力が桁違いな事も理解をしていた。今では王都では彼の噂を知らない人がいないほどに鬼才と呼ばれていた。



王子もここに来て噂になっているマサキ・フリードだと理解して先程の威風は消えて大人しくなり接し始めた。



「すみませんでした、先生とも呼べるお方だと気がついておりませんでした。この事に関してお詫びを入れます」



「殿下、俺は先程の態度で怒ったりはしませんから安心してください・・・ですが、心の底から惚れている女性を蔑ろにしている事に関しては心の底から怒りが湧いて出てきておりますけど」



マサキは怒りを殺意に近いものになり王子を脅していた。王子も目の前の相手が今では王国最強と呼ばれている魔法使いなので恐怖で怯えて一歩後退してしまう程に強烈な恐怖を感じていた。



それを見ていたマサキがではこの美しいとも可愛さを持っているコノハさんを貰いますねと伝えてからコノハを姫様抱っこをしてその場を後にしようとしていたら王子がいくらこの国の英雄でも流石に無礼すぎると言ってきたのだけどマサキは言い返すのであった。



「そうですね、確かに無礼かもしれませんが彼女に対する態度も俺は無礼だと思っています。これは俺なりの仕返しだと思ってください。それと王子には大変申しにくい事なのですけど俺は・・・第2王子を支持しておりますので頑張ってくださいね」



それを聞くと王子は待て待てと慌てながら止めようとしたけどその時に外にファイアーワイバーンが空から降りてきたと報告を受けてマサキが本当にお利口なのだから俺の大切な竜はと言い残して外に出た。



周りの者たちはファイアーワイバーンをこの目で見ようと外に出てみるとそこにはファイアーワイバーンであるがその大きさからもはやドラゴンとも呼べるほどの大きさであった。



あまりの衝撃に何も周りの者たちは言えなかった、その沈黙を破ったのはマサキのみでその言葉も周りに対してではなくて一人の女性に対して言うのだった。



「怖かったでしょうけどもう安心してください、俺が君を守ってみせますから」



そう言うとコノハは真っ赤になりながら軽く頷いてからマサキはファイアーワイバーンに乗りそのまま夜空に消えて行った。



あまりにも現実離れが起きて周りは静かになったがすぐにあれがこの国の英雄かとこれ程に凄いなら国は安定だと喜ぶ声が上がった。



王子とその隣に女性を除いて皆が声を上げて見ていた。



それを遠くから聞いていたマサキは思うのだった。



いやいや、俺は別に普通の人で何なら前世はオタクと呼ばれていた人なのですけどと思いながらもこの世界で最も恋をしたヒロインを助け出すことが出来たのだから良いかと思いながら夜空の旅を始めるのだった。



そうして俺は過去のことを思い出していた、まさかここまでの事になるとはあの時の俺には想像もできなかったけどな、ただのこの白龍伝説をやり込んでいたオタクがね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る