堕天使は追い詰められていく
第32話 ポケット
風の音だけが聞こえる。砂嵐のような何かが肌に当たる。
世界は灰色に汚れているように見える。
ここはとある交差点。そこでは五人の男たちが睨み合っていた。
青髪の男は悪に狂った狂信者を逮捕するべく正義を宿した黄色い目を光らせた。
黒髪の男は親友の安全を願いながらも目の前の悪を睨んでいた。
茶髪の男は自分の後輩を守るためすぐさま動けるように待機していた。
金髪の男は自分の恋人を友達に託し、かつて協力していた悪をじっと見つめた。
そして緑髪の男は自分の愛を否定され、自分の楽園さえも砕かれた。その原因を深く憎み怒っていた。
正義の目をした彼は自分の持っている銃を目の前の狂信者に向ける。
黒髪の男はすぐに捕まえることができるように手錠を手に持つ。
他二人も戦闘体制を取った。
緑髪の男は狂ったように手を広げ目は天を見る。
そして緑髪の男は「天使」「天使」と狂うように言葉を繰り返す。
少しした後、笑った男は四人に目を向けて、
「神の意向に逆らう奴は死しかないよねぇ・・・」
その言葉に青髪の男は不敵に笑い、緑髪の男に向かって
「あまり警察を舐めるんじゃないよ。」
そう言った。
親友の言葉を聞いて、黒髪の男も狂信者を笑い、そして冷酷に告げる。
「前座はさっさと退場願えますか?物語の見どころに邪魔なので。」
その言葉を聞いた狂信者は一度空を見上げる。
「あぁ天使・・・天使よ!!私の愛をどうか受け止めてください。」
狂信者、いや近衛堕洋平は四人の男を睨みつけ笑い笑い笑い笑い笑い続け、そして叫ぶ。
「お前ら全員皆殺しだぁぁぁぁああぁぁあ!!!!!アーヒャヒャヒャヒャ!!!!ハーハハハハァァァァァ!!!!!!」
そして戦いが始まる。
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事件の翌日。
学校の会議室に俺と雫、独槻先生と瑛太さん、あと中本さんは集まっていた。
「それで、犯人は誰なんだ?」
そう言うのは瑛人の父親、瑛太さんだ。
全員の目線がこちらに向く。
別に隠す理由もないので俺は素直に答える。
「犯人は近衛堕洋平だ。」
その言葉で瑛太さんと雫以外の全員が驚愕する。
皆が驚く中、瑛太さんは俺に問う。
「犯人が分かったとして昨日言っていた問題とはなんだ?」
「近衛堕洋平は薬をやっている可能性があるということです。」
「ほう、薬・・・とな?」
薬という単語に瑛太さんは目を細くする。
「近衛堕洋平のこれまでの行動や言動に違和感を感じました。そして家族構成や体にある注射痕。そこから考えると薬をやっているのだと推察しました。」
俺の考察を聞いた瑛太さんは少し考え、そして俺を見る。
「分かった。薬の件は私たちに任せたまえ。ちょうど協力してくれそうな奴がいるしな。」
「それって俺たちのことですか?」
瑛太さんが言った時、会議室のドアが開かれ、そこから青山次郎と篠上圭が現れた。
「次郎!?圭!?なにしてるんだお前ら!」
俺は思わず叫んでしまった。
次郎は俺をじっと見つめる。
「いやぁお前が何かをしようとしてることは気づいてたから手伝おうかなって。」
「その通りです。それに今回は学生として来ているわけではないですから。」
そう言った二人はポケットから警察手帳を取り出した。
それを開いて俺たちに見せる。
「今の俺たちは警察捜査第一課として来た。」
「だからこの事件に関わることは必然なのです。」
圭は俺を見つめ、
「大丈夫ですよ。才能が認められて17歳にして警察の2本柱と呼ばれた私たちですから」
無表情なのだがドヤ顔をしているように見える顔をしている圭に俺は困惑しまくっていた。
すると瑛太さんが手を叩いて皆の意識を向ける。
「ま、そういうことだ。薬のことに関しては俺らがやっておこう。君たちは近衛堕のことについてやっておいてくれ。」
瑛太さんのその言葉に次郎が手を挙げる。
「どうした青山」
と瑛太さんが問う。
「瑛太さんは正徳のほうを手伝ってあげてください。とある人を連れてくるので。」
「とある人?」
「あぁ。核口っすよ。」
「んーーまぁいいだろう。」
核口という名を聞いて俺は思い出した。
実際会った時、この人はやばいと思ったほどだ。
狂人なのに先輩後輩共に優しい。熱血なのかと思ったら冷静だったりする。でも場をカオスにしまくったりする。いわば台風だ。
前に一緒に事件を解決した時も苦労した。犯人を捕まえるとなった時にグレネードのようなものを持ち始めた時は本当に焦った。
そんな核口さんを連れていくのは次郎苦労しそうだなと思った。
まぁそんな感じで次郎と圭が乱入してきたが無事に会議を終えた。
後ろでニヤリと微笑む悪の存在を俺はまだ気付けていない。
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どうもみなさん!!マヨきゅうりでございます。
投稿が遅れてしまい申し訳ございません!!!
これから正徳達は事件の謎を突き止めていきます。
その中でニヤリと微笑む悪を正徳は気付けるのか!?
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