俺が先生? Ⅱ
どうやら俺が男だと冒険者ギルドでは知れ渡ったようだ
ボイスさんガイスさんと下に行ってる間、エルガちゃん達が発表したらしい
皆の注目だったらしく男だとわかると冒険者の男子はタメ息だったと?女子もタメ息だったのは何故?わからん!
それは良いとして、エルガちゃんに引っ張られギルドを出た、まぁ昼過ぎだもん、狩る時間が勿体ない、みんな黙ってモクモクと歩く、そして昨日の場所へ着いた
「もう!ジョウは駄目ねぇ、あんな事を言ったら男達は怒るよ?」
「そうだぞ!メリルさんはみんなの憧れなんだぞ!それを好きとか言ってんじゃあねぇ!」
「俺達は良いさ、でも年を食った連中はメリルさんやラディさんにロミィさんを狙ってるからな、3人は美人で独り身だから」
「まぁ男ってバカばかりなのよ、叶わない夢を見たがるの、でもジョウは駄目よ、悪さする冒険者は多いの、特に女絡みは質が悪いよ?」
「そうそう、バカなのはモテ無いのヒトのせいにするから、ジョウさんは関わらない方が良いの」
なんか凄い大人な意見┅┅
やっぱり女の子の方が分かって為さる、男子よ!残念!
「ありがとう、さて?じゃあ昨日みたいに薬草採取しながらラビットを狩ろうか?」
「うん!それと魔力循環と涸渇法は私が教えたからね、3人共昨日から始めてるよ、それで朝、違いが分かったって、あの盾はジョウが教えてね」
「良いよ、薬草も昨日みたいに教えるから、中へ入ろう」
街道から草原へと入って行く5人、俺とエルガちゃんは慣れた物でサッサと進む、けど他の3人は恐る恐る付いてく感じ
「そんなに緊張してたら薬草も分からないし、スライムがぶつかって来ても避けられないよ?魔物は気にしなくて良い、俺が教えるから、とにかく薬草を探して」
「本当に魔物は来ないんだな?チャンと教えろよ」
「バカ!エドは教えて貰うんだからそんな言い方駄目でしょ!」
「そうよ!バカなんだから、ジョウさんは別にアンタ達に教える義理は無いの!嫌なら帰れば!フン!」
「いや┅そんな事は思ってない、悪かった┅」
ほう?ナルシャちゃんって言う時はキツイね、幼馴染みだから?
まぁエルガちゃんはよ~く知ってるから┅┅┅┅気が強いからねぇ
其れからは薬草の生えてる特徴地点とか教えてこれだ!と思ったのを見せる様にと言って探させた
気配察知と索敵でスライムやホーンラビットの場所は確認してる
薬草も鑑定で場所は分かってるからそれとなく誘導して採取させる
「これは?ヒール草かな?」
「そうだね、でも切る時にチャンと根元から切らないと査定で安くなるよ、チャンとナイフの刃を当てて切るんだよ」
「ジョウ、これは魔力草か?」
「残念、雑草だよ、似てるからね、俺も良く間違えた、だから覚えたんだ、間違いを気にするな」
「チッ、面倒くさいなぁ、ラビットを狩らせろよ」
「それは自分で探すんだな、死ぬなよ」
「やっぱりホーンラビットで死ぬヒトがいるの?」
「冒険者、特に新人冒険者は良く死ぬらしい、ラビットだと油断するからね、意外とすばしっこい奴だから、気を抜くと死ぬよ」
「ウッ┅┅じゃあなんでエルガは多く狩れたんだよ」
「それはジョウの言う事を聞いてそれを守ったからよ!大体ねぇ!アンタは態度が悪いのよ!ラビット1匹も狩れないのにグタグタ文句や偉そうにジョウに言って!ジョウは20歳!年上!それにこの町では新人でも実力はA級なんだから!アンタなんか全然足元にも及ばないの!バカ丸出し!」
「そうよ!ジョウさんのガーデンでの活躍を知ってるでしょ?なんでそう偉そうにしてるの?2人とも?私達の邪魔をしたいの?それならパーティーとか辞めるわよ!仕方なしに組んでるのよ?もう知らない!」
あちゃ!それを言いましたか?でもなぁエドは駄目な奴だ、変に意地を張ってる、なんでだろう?アランはそれに乗っかる形、エドはガキ大将だったのか?
だから教わったり頭を下げるのに抵抗が有るのか?┅┅
「なぁエド?ホーンラビットは近くにいるぞ、1人で狩って見るか?」
「フン!当たり前だ!仕留めて来てやる、吠え面掻くなよ!」
「ハイハイ、その右手の奥だ、気をつけろ」
「ヘン!任せろって言ってるだろ!」
草を掻き分け言われた方へ行くとラビットが呑気に草を頬張ってる、それを見たエドは安心したのか迂闊にも前に出た
ラビットは直ぐに赤い目をして警戒する、そして後ろ足をピョーン!と蹴ってエド目掛けて飛んで行く
「うわぁーぁあ!」
ビシュ! 避けたが間に会わず
角で橫腹を切られた、血がポタポタと落ちる
剣を構えてたが落としてしまい、うずくまるエド、ラビットは何事も無かったかの様にピョンピョンと行ってしまった
「エド!大丈夫!えっ!血が!」
「どうしよう!エドが!」
「フン!大丈夫よ、そんなの当たり前よ、ジョウが言ってたでしょ?気を抜くなって、何よあれは?バカみたいにラビットの前に無防備で出るなんて!油断したの?ラビットが草を食ってたから!バカよ!ホントにガキなんだから┅┅ほら!どいて!」
ヒール! ヒール!
おお!エルガちゃん!回復魔法を使ってる!凄い!
「エルガ?これは?」
「フッフン!ジョウに教わって、ジョウの言う通りにしたら、回復の魔法が使える様になったのよ!アンタのそんなケガなんて治してやる!嫌なら治療費貰うわよ」
「そんなぁ┅┅ありがとう、そして御免┅┅」
いやぁ凄いね?これって?俺は必要無いんじゃ?
「見た?本当に出来る様になったのよ、朝ね?母さんがナイフで指を切ったの、だから使ってみたら治ったのよ!ジョウが言う通り頭に描いて治れって、もう母さんビックリして、そして喜んでたよ」
「エルガちゃん?魔力は大丈夫?気分が悪いとか?」
「ううん、大丈夫、涸渇する時に分かったの、もうすぐ魔力が無くなるとかね、あれは凄く良いよ!母さんや妹に弟も始めたよ、本当にありがとう!」
「そうなの?私も続ければエルガみたいになれる?」
「なれる!なれる!ナルシャの能力は知らないけどね、でも大丈夫よ、ジョウに聞いたら?」
「良いのかな?だって能力を見るの凄いお金がいるよ?」
「アハハ、そんなの要らないよ、そうだね┅┅ナルシャちゃんは典型的な魔法使いだね、だって風属性に水属性と火属性の3つも有るよ、もっと魔力を増やさないと使えないけど、魔力循環と涸渇法をチャンと続ければ凄い魔法使いになれるよ、それに土属性も付くかもよ?ハハハ」
「ホント?私に?やる!毎日忘れずやるね、魔力循環って何時もやるのよね?」
「そうよ、私は何時も気にしてやってる、汗を掻くけど凄く力がみなぎるの、実感?かな?」
「ねぇジョウさん!もし魔力が増えたら魔法を教えて!お願い!」
「じゃあこれから見せるからよ~く見てて、そして頭に残すんだよ、それを何時も頭に描いて置くと良い、忘れずにいたら自然と出来るからね、ちょっとやろうか」
そして奥のスライム目掛けて軽くファイヤーを弱く放つ
シュルル、ビシャン!
スライムに辺り弾けた、こりゃ加減がムズイ、訓練にはなるかも?
「見たかい?あれが火魔法のファイヤーだよ、弱くしたから見やすかったでしょ?」
「うん!頭に残したよ」
「私も!あんな風に飛ぶのね」
「次は水だよ、ウォーター」
順に風魔法のウィンド、土魔法のストーンっと見せた
なんか凄く興奮して喜んでたなぁ
男子達はドン引きして顔を真っ青にしてた、なんでだろう?
エドの血まみれの服もクリーンで綺麗にして採取仕事を急いだ
エルガちゃんにお手本で小盾を付けラビットを狩り始める
案の定、昨日より上手くなってる
軽く5匹仕留めて角もしっかり納めた
次はナルシャちゃん、初めてだから怖そうにしてる
でも後ろにエルガちゃんが一緒に居て教えてるねぇ
そして上手く仕留めた、ホッとしたのか直ぐに要領を得て5匹仕留める事ができた
問題は男子、見てたのに上手く小盾に当たらない、ビビッてるのかラビットが飛んで来ると避ける、待てないのだ、余程痛い目に会って怖いと感じるのだろう
腰が引けてる、そこで一声
「ホラホラ!そんなへっぴり腰じゃあ女の子に嫌われるぞ!ずっとモテ無い君だな!アハハ!」
そう!馬鹿にする事で怒らせ怖いのを忘れさせる、これが手っ取り早い、ホント面倒くさい!
そうして無事に5匹づつ仕留めラビット狩りは終了、後はスライムを見付けたら狩って、帰った
「おう!お前達、今日の依頼は終わったのか?」
「エヘヘ、今日も沢山ラビットを狩って来たよ、薬草もね」
「ご苦労さん、カードは一応見せろよ、じゃあチャンと飯を食うんだぞ!」
「「「「ハイ!」」」」
「それとジョウだったな?お前は向こうの宿舎へ来てくれ」
「そうですか┅┅じゃあみんなはギルドで精算して帰るんだよ、ポイントになるから覚えとくんだぞ」
「ジョウ?大丈夫?どうして?」
「問題無いよ、大丈夫だから帰った帰った、アハハ」
宿舎とやらに行くとオジサン?お爺さん?それとオバサン?3人?
ハテ?
「この人達は地区長さん達だ、お前にお礼をしたいそうだぞ、ハハ」
「ハテ?お礼される事はしてないけど?」
「ジョウさんだね?ありがとう、長年側溝がドブになって、冒険者達に掃除して貰ってたが一向に良くならなかった、それをたった1日で、其れも1人で解決してくれたんだ、感謝しても仕切れん!」
「そうよ、聞いたら女の子だって言うじゃない、信じられなかったわ、依頼書を見てギルドに確認したら男だって、ウフフ、でも仕方ないわね、その容姿なら」
「それであのスライム達だ、今日も子供達と遊んで仲良しになってる、なんでもお前さんがスライム達に褒美として食べ物を与えたそうだな?子供達が言ってた、綺麗に掃除してくれたから、褒美を貰えば嬉しいのは自分達も同じだと言ったと、だから子供達もありがとうと言ってお菓子やらやってる、大人達もそれを見て何か思ったのだろう、スライム達をぞんざいに扱わなくなったよ、ありがとう、大事な事を教わったよ」
「それで話したのだよ、これは依頼の他にお礼をしないと駄目だとね、ギルドでは受け取れんと言ったから直接会って渡す事にしたんだ、ギルマスめぇ、依頼の他の事は関係無いと抜かしおった、勝手にどうぞ!だとさ、だからもう頼まん、其れも必要無い、地下道があんなに綺麗になってる、だからこれを受け取って欲しい」
「いやぁ、仕事をしただけですよ、でもそのお気持ち、しっかりと受けます、ありがとうございます」
「イヤイヤ、ホントに出来たヒトだな、私達に出来る事が有れば力になるから、私達も頼りにする事が有るやも知れん、その時は宜しくお願いする」
っとまあ?そんな事で?これは良いのか?目立つ事にならないか?それにギルマス!なんて事を!
町の区長さん達だろ!
仲良くしないと新人冒険者が困るだろうが!
マッタク!どんなギルマスなんだよ!愚か者なのか?バカなのか?
今日は何も無いからこのまま帰るか?エルガちゃん達も帰っただろう、はぁ~疲れた、精神的疲労だな┅┅教えるの難しい!
『フッ!主の手加減訓練は良いですね?あの小娘達も役に立つと言う事でしょうか? まぁ私の出る幕は有りませんけど 見てるだけで面白いです 無自覚で朴念仁 非常識の世間知らず こんな面白い事は無いのですから フッフフフ♪』
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