第2話 東京駅で切符の買い方を教えてあげた女の子が私と同じだったと気づかずに その1
生まれ故郷の春日部を後にしたのが4月の最初の月曜日(4日)になり、岡山駅に夕方の6時までに着くのに14時12分発の東京なら岡山駅には17時25分と考えていた。
初めて訪れた東京駅は迷路のように迷いやすく、しかも地下鉄もあるので案内板を見ないと分からない位の構造という感じだった。
初めて乗る新幹線であり、岡山までの乗車券10670円+自由席特急券5930円を合わせて16600円を買ってから、東海道・山陽新幹線へのホームである18番線という事を確かめた後で、切符売り場の傍で手間取っている私と同じ位の女の子を見かけた。
「すみませんが、岡山までの切符ってどう買うんですか?」
「その機械では岡山までの切符を買う事はできないんです。切符売り場の窓口なら乗車券と自由席特急券を買う事ができると思いますよ」と親切に教えてあげた。
岡山まで3時間10分位って長旅になるけど、亜美ちゃんが高校の頃まで過ごした故郷で私が受け継ぐ事ができるならと――。
そして、14時12分に定刻通り、のぞみ39号が出発した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます