宇宙旅行

勝利だギューちゃん

第1話

僕〈という一人称を使うほど、ゆるい年齢ではないのだが〉が、子供の頃に読んだ絵本、だいたい1980年ごろだが、21世紀を予想した本が多数出ていた。


僕は、物持ちがいいので、当時の本は残してあるので、確認済みだ。


小学生だった僕は、思い描いていた。

31歳の頃に結婚をして、ハネムーンに出かける。


「ねえ、ハネムーンはどこにする?」

「奮発して、宇宙旅行にするか」

「いいわね。新婚旅行に宇宙から青い地球を見るのも、素敵な想い出てね」

「決まりだ。でも、まずは抽選にあたらないとな」

「確かに」


そして、時は流れて2024年となる。

初めて読んだときから、もう40年以上になるのだが・・・


今は宇宙旅行をするには、10億円でも足りない。

これは、どんな資産家でも自腹では無理だな。


宇宙飛行士を目指そうとも思ったが、絶叫マシンをこわがっているようでは無理なので、やめた。


子供の頃に想像していた未来とは、大きくかけ離れている。

理想は理想でしかないが、現実のなったものもある。


「先生、原稿できましたか?」

「ああ。出来たよ。今」

「わかりました。取りに行きます」

「頼む」


子供の頃に描いていた夢を、僕は現実の物とした。

「なれるわけがない」と、馬鹿にされていたが、その期待を裏切ってやった。


最後に笑うのは、努力を怠らなかった者なのだ。


今、白い原稿用紙で、宇宙旅行を楽しんでいる。

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宇宙旅行 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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