半田 ひより☆ からのお詫び

🍻



差出人 : 半田 ひより☆


宛先 : 我妻興信所 津曲 創 様



 昨日は私の一方的な誘いに応じてくださり、ありがとうございました。

 せっかく素敵なお店を用意していただいたのに、喧嘩別れみたいな形で席を立ってしまったこと、深く反省しています。本当にごめんなさい。

 津曲さんの職場の方々が密かに店に潜入してご協力くださっていたことも、サジコ様から聞きました。そのことについてもお詫びします。


 家に帰る途中、サジコ様が電話をくださり、問われました。


「ひよりは何故、ひょっこりはんみたいな人がタイプなの?」


 正直、すぐに答えられませんでした。恥ずかしながら、今までそれについて真剣に考えたことがなかったからです。

 ただ「タイプだから」という理由で津曲さんを紹介していただいたにも拘らず、私は津曲さんはもちろん、職場の皆様のお気持ちと貴重な時間を無駄にしてしまいました。このまま終わらせるのは失礼だと思い、私なりに考えた理由を知ってもらいたくてこのメールを書きました。


 私は、なぜ一般の方が「ひょっこりはん」スタイルをしているのかが不思議だったのだと思います。

 だって、芸人である「ひょっこりはん」が面白さとインパクトを狙ってあの格好をしているのはわかります。でも、一般人がわざわざあの妙ちきりんな格好(ごめんなさい)をするのは、何故なのか。

 だから、一般的に言う『好きな人のことを知りたい』が、『その理由を知りたいのは、その人が好きだから』に変換されてしまったのではないか、との考えに至りました。

 これは(先日も少しお話ししましたが)、アイドルを卒業した私がスタイリストを目指していることも関係しているかもしれません。何を意図してその服をチョイスしたのか、とても気になるのです。


 私はお世辞にも頭がいいとは言えないので、うまく説明できていないかもしれません。そもそもこの考えも間違っているのかも。

 でもどんな理由であっても、食事の席で強引に津曲さんの髪型や服装を何パターンも試したことへの言い訳にはならないことは、わかっています。

 また、ジュニアアイドル時代から恋愛禁止だったために仕事以外での男性との距離感が掴めない、というのも言い訳にはなりません。

 ましてや、『ノリが悪い』なんて勝手にキレて帰ってしまうだなんて、いくら緊張の上での暴走だったとしても、本当にあり得ない。


 津曲さんが怒るのも当然です。完全に私が悪いので、取り持っていただいたサジコ様にもそのようにお伝えし、我妻さんへの必殺のコークスクリュー・ブロー(?)というのもやめてもらえるようお願いしました。

 冷静になった今では、その人の意図がどうあれ、好きな服を着ればいいと思っています。ひょっこりはんは好きですし、津曲さんの髪型や服装をバカにするつもりもありません。本当にごめんなさい。



 長文なので、サジコ様の了承のもと、先日交換したLINEではなく興信所の問い合わせメールの方へ送らせていただきました。

 今後はこちらからご連絡することは控えますが、津曲さんのご活躍を陰ながら応援しております。皆様にもよろしくお伝えください。

 それでは。



 半田 ひより☆ より

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