ケツを並べたかっただけの男がソシャゲにどハマりした末に最強に至る

助部紫葉

01



裸の女子に壁に両手をついてケツをコッチに向けて貰いたい。


それも複数人の女子。


可愛いケツを横一列に並べてコッチに向けてもらいたい。最低でも3人分のケツを並べてもらいたい。


そんな横並びになったケツを心行くまで見て堪能したい。それはそれは絶景に違いない。間違いない。


そして並んだケツに端から順番にスケベしたい。下の手も両手もフル活用して、まとめて全部味わいたい。



俺の大いなる夢。



俺は最近見たエロ漫画の影響を色濃く受けていた。


そうエロ漫画。フィクションの話だ。


しかしケツ並べは実現出来ないことでは無い。それが激しく難易度が高いだけで。


ケツ並べを実現するためには、それはそれは様々な問題が立ち塞がってくることだろう。


だが、ヤリたい。どうしてもヤリたい。何がなんでもヤリたい。



これは俺が大いなる夢を実現すべく邁進する話。



まず横一列を実現する為に必要になってくるものは何か?


『場所』か。


複数人の女子を連れ込みスケベする訳で、目指すは4Pだ。実家の自室でそれをヤルには難があるだろう。親バレしたら何がどうなるかわかったもんじゃない。


となれば一人暮らしだ。一人暮らしをして複数の女子を連れ込めば思う存分に横並びを楽しめることだろう。



「お母さん!俺、一人暮らししたい!」


「アンタが一人暮らし?ダメに決まってるでしょう」



両親に言ったら秒で却下された。


そうして俺は頑張った。


親から一人暮らしの許可を得るために勉強を頑張った。おかげで校内の学力ランキングでは五本の指に入った。


一人暮らしする軍資金を稼ぐためにダンジョン探索を頑張った。ただひたすらに金を稼ぐ為にダンジョンに潜る。


脇も目振らず大いなる夢を実現するために頑張ること1年間。遂に親からの許可を得て一人暮らしを始めることが出来た。


ダンジョンで結構稼げるようになっていたので、かなりいい部屋を借りた。


都内一戸建てタワーマンション上階。3LDK。素晴らしい景色。この高さ、裸の女の子を窓に押し付けてちょめちょめするには絶好のロケーションだ。いっぱい声を出しても大丈夫な様に防音設備はバッチリ。


それになんといっても浴室が大きい。数人で一緒に入れる広さ。湯船も大の大人5人ぐらいが足を伸ばして入ってもまだ余裕があるほどにデカイ。温泉旅館みたい。


くくくっ。ここでケツを横一列に並べて……ちょめちょめ。



一人暮らしを初めて気がついた。


別に横並べするなら、わざわざ一人暮らしせずとも普通にホテルとかでヤルんでよかったのではなかったのかと。



…………。



……俺の1年間の努力は無駄ではなかった。そうだな?


この無駄に家賃がバカ高い部屋に住み始めたのは無駄ではなかった。そうだな?



ともあれ舞台は整った。



早速、並べるケツを確保しよう。



どうしよう。



どうしたらいいんだろうか?


さっぱり分からないんだが?


適当にそこら辺にいる女の子に声をかければいいんだろうか?


「ケツを出して並んでください」って?


捕まるね。間違いなく通報から署までご同行待ったナシじゃんね。


冷静に考えよう。


まずは第1の条件として女の子にケツを出してもらわなければならない。ケツを出して貰うためにはどうしたらいいかって話だ。


ケツを出して貰うためには女の子と仲良くならなければならないだろう。赤の他人に対してケツを出す女子など痴女でしかないのだから。女の子と仲良くなって、土下座で頼み込んでワンチャンケツを出してくれるか出してくれないかって所だと思う。


いや、その前段階としてケツの前にパンツ見せて貰う手順を踏むべきだろうか。そうだ。そうだな。いきなりケツ見せろよりかはパンツ見せろの方がハードルは低い。となれば最初はパンツ見せろから始めた方がいいと思われる。


まずはパンツ見せて貰えるだけの関係を女の子と築き上げたい。


女の子と仲良くなろう。


……どうやって?


一人暮らしする為に努力した1年間、俺はなりふり構わず邁進した。人付き合いを蔑ろにし1人で大いなる夢の為に突っ走った。結論、友達が居ない。ぼっちである。ダンジョンもソロでしか探索したことが無い。パーティープレイ何それ美味しいの?美味しいだろ。俺が目指してるのはケツ並べパーティープレイだぞ。美味しいに決まってる。おしりのオードブルフルコースを召し上がるのが俺の大いなる夢。



……友達作りから始めよう。まずはお友達から始めましょうってところで。



そうして俺はソシャゲにドハマりした。



何をどうしてそうなったかって。これには話せば長く深いわけがある。


友達が出来なかったので画面の中の女の子に走った。以上。


嫁を作るのは実に簡単でストアからアプリをダウンロードし、あとは課金だ。ダンジョンでかなり稼いでる。金ならあった。めちゃくちゃ課金した。課金したら女の子は俺にデレデレになる。結婚もしてくれる。世の中金なんだなって思った。金さえあれば女も買えるんだなって思った(童貞談)


俺がドハマりしたのはレッドアサルトーー略称アカアサというソーシャルゲームだ。


プレイヤーは学園の先生となり生徒である女の子達を指揮し異界から現実世界に侵攻してくる侵略者と闘う。


主に重火器をぶっぱなす女学生達の後姿……というかケツを並べて眺めて楽しむゲームだ。重火器発砲の振動に合わせて女学生のケツがぷるぷる揺れるし、パンツも見える。最高か。


まさに俺の願望が詰め込まれた様なソシャゲだった。ドハマりした原因はここにある。


アカアサに登場するウタコと言う子が俺の最推しキャラだ。


教会のシスターで普段は修道服を着た清楚な見た目をしているが、戦闘になると何故かエグい角度のハイレグ衣装に身を包み戦う。清楚系ドスケベキャラである。


このギャップが凄くいいし、戦闘中の後ろ姿はハイレグ衣装がくい込み、ケツまるだしと大差ない仕上がりになってる。たまらん。


ウタコガチ恋勢となったオレは最強のウタコを仕上げるために鬼のように課金した。


ブルアサはガチャから同キャラを引くことで限界突破でき上限レベルとステータスが上昇する。限界突破のMAXは10回、つまり同キャラを11回ガチャから引くことで完凸となる。当然、完凸させた。


さらに武器ガチャ(課金)もある。武器も限界突破できる(10回)。勿論、ウタコ専用武器も完凸するまでガチャした。


さらにさらに装飾品ガチャ(課金)もある。装飾品も限界突破できる(10回)。みなまで言わずともウタコ専用装飾品もカン凸するまでガチャした。


いくら課金したかはわからない。数えてない。おそらく3桁万円は軽く越えてる。下手したら4桁万円に届いてるかもしれないが、それもこれも全ては最推しのウタコの為だ。それに金ならある。


俺はあらゆる強化要素を網羅し最強のウタコを仕上げた。


キャラを完凸。専用武器を完凸。専用装飾品を完凸。全てを完凸し上限まで育てると今度は生徒との結婚システムが開放される。


好感度上昇アイテム(課金)を使いキャラの好感度を上げ、結婚指輪(課金)をプレゼントすると生徒と結婚が出来るのだ。


こんなのやるしかない(課金)


さらなる追加投資で俺はウタコの好感度を上げ結婚指輪を購入し晴れてウタコと結婚した。


ウタコとの日々はそれはそれは幸せな時間であった。


こんな可愛い嫁が俺の事を好き好き言って優しく微笑みかけてくれる(画面内)。


世界が輝いて見える。こんなにも世界は美しかったのか。いや美しいのはウタコのケツなんだけども。



しかし幸せな時間は長くは続かなかった。







ウタコが死んだ。



















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