たどり着いた場所③
べあべあ はその黒い塊を息を飲みながらまじまじと見詰めた。
人だった。
黒い衣服に黒い髪を持つ、けもの族の人であった。
そのけもの族は、かなり衰弱している。
べあべあ は目で見察知すると。
「なになに、アンタ大丈夫なん!?。」
と声を掛けながら、倒れている、その旅人らしきけもの族の方へと駆けよっていった。
「うう……」
その旅人はその声に僅かな力を出し呻いて答えた。
べあべあ は旅人の傍へとたどり着くと
「アンタ!、アンタ!しっかりしいや!」
と、声を掛けながら
その旅人を抱き抱え
そしてゆっくりとその身を抱き起こした。
その旅人は、けもの族オオカミ科の少女だった。
べあべあはそこで出来る範囲の様態を調べながら
『だいぶ弱っているけどまだ大丈夫や』
自分自身にもそれを言い聞かせる安堵の吐息を吐き、そして、でも、このままではこの少女は生きる気力を無くす。
その思いから
「アンタ名前は?、もう大丈夫やで!、しっかりしいや!」
と、必死にその少女に呼び掛けた。
その べあべあ の呼び掛け
少女は弱々しく
「ぼ、ボクは……シュ……シュリナ……天使…天使を…」
と返し、そのままガクりと意識を失った
「シュリナ?、天使?、なんなんや?、なんなんやそれは?」
と、べあべあはその少女シュリナを助けたいの一心でそう声を上げ叫んだ。
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