〜記憶のカケラ〜
巫女乃
【第1話】告白と忘れられない人
「あーっ!梨南、帰ってきたー!」
教室に戻ると、パキッと音を鳴らしてポッキーを咥え、
椅子の上で三角座りをしていた朋花が、大きな声を上げる。
「また、告白の呼び出しくらってたんでしょー!?」
「う〜〜ん、まぁ、そんなとこ……かな?」
私は苦笑しつつ、歯切れ悪く答える。
「もぉぉぉ、ホント、モテるよね〜〜梨南は。
1人ぐらい、分けろっつの」
朋花は、明るくサバサバしている、クラスで一番仲のいい友達だ。
ぱっちりした目、ミディアム位の長さに切り揃えられた髪。ストレートヘアーながら毛先を外ハネに巻き、遊ばせたオシャレなスタイル。
小柄だが、そこが可愛らしいと思えるのに、
なぜか、朋花には、浮いた話がない。
(なんでも、ズバズバ言っちゃう性格だから、なのかな………笑)
心の中ではそう思っているが、口に出すと絶対に怒られる。シメられる。
だから、言わない。
「………んで?今回の人は、どーだったの?」
次のポッキーを取り出しながら、朋花は言った。
「うーん…………、
優しそうな人だったけど、
お断りしちゃった」
「優しそうとか、超いいじゃぁん!!!勿体無いっっ」
ばんっっと、机に両手を打ちつける朋花。
「………やっぱり、初恋の人のこと………、
忘れられないんだ?」
「………うん、そうだね…………」
私は答えつつ、
昔の記憶に、想いを馳せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます