第2話 朱に染まる

傍にいるうちに、親愛以上の感情を抱いているとばれてしまって

恐れられて気を遣われて、へらへらした顔で軽口を叩かれた時

泣きたいほど情けない気持ちになったのにどうしても憎めなかった

本当に好きだから、気持ちを偽ってでも傍にいたかったんだ

その為なら道化に身を投じて自分の気持ちを殺す覚悟があった

悟られて距離を置かれて、どこか昔の自分に似た"新しいお気に入り"と歩くあなたを見た時はショックだった

あなたに好かれたくて変えたもの全部愛しかったのに今は忌々しい

人魚が声と引き換えに人間の足を手に入れた時みたいに私には激しい痛みを伴う変化だったのに

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