詩集

@boriko_00

第1話

「暑」


その日は空が青かった

蒼くて眩しかった

明かりが目を容赦なく貫いて開けられない

こんな日に随分酷いな

今すぐにでも帰りたい

いや寧ろ逃げたいな

このまま何処までも行けたら

なんて、そりゃ馬も鹿も笑っちゃうね


その日はやけに暑くてさ

冷や汗も額をつたって

気持ち悪いくらいに喉が渇くんだ

暑いのに寒くて

風が吹いてもなんだかぬるくて

まるでそこは砂漠だな

だけどここは南極だな

あーあ、そんなの矛と盾もあったもんじゃないね


ただ横たわって寝てるのを

見てとばかりに訴えて

いつまで眠るのだろう

何処まで離れるのだろう

そんなことを問いかけるから

記憶に居るんだな

馬鹿も矛盾もその眼の前では

ただのひとつになるんだな



「暑」終

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