出会い

勝利だギューちゃん

第1話

海に来ている。

人はまばら。

ちらほらとはいる。


ここへ何しに来たか?

絵を描きに来た。

浜辺にイーゼルを立てて、パイプ椅子に座る。

そして、絵筆を走らせる。


おそらく人には見せない。

自分で楽しみために描いている。


あっ、向こうには家族連れがいるな。

両親にふたりの子供。

ペットもいるな。


子供のほうは姉妹かな。

お姉さんらしき人は、僕と同い年くらいか。


まあ、気にすることはないか。

僕は絵を走らせる。


しかし、仲の良い家族で羨ましい。


あの家族は撮影もしているな。

スマホで撮影。

便利な時代だ。


それから、数年後。


「ねえ、ねえ、これ見てくれる?」

妻となった女性がスマホの写真を見せてくる。

海の写真だ。


「私の家族は海が好きで、よく行ってるんだよ。昔から」

「そうなの?僕も好きだよ」


海が好きなのが付きあい始めたきっかけだ。


「あなたは、何しに海に行ってたの?」

「絵を描きに行ってたよ」

「そうなんだ。これ見てくれる?」


スマホの写真の一枚を見せてくる。


「以前、家族で海に行ったとき、たまたま海を描いている人が映ってたんだ」

写真を見せてくる。

「ほら、ここ」

写真の中の絵を描いている人物を、指さす。


「あっ」

「どうしたの?」


『この写真の男性は、僕だ。間違いない』

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出会い 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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