変態戦歴〜影のハーレムは申し訳ないが死んでもらう
アザスは膝を地につき泣きながら俺の腰を掴んで揺らした。
『おい!タイン!死人が出るぞ!私と言う腐った死人がな!』
『大丈夫、失敗したら、皆死ぬ』
『誰も俳句をやれなんて言ってない!お前はなんて酷い事するんだ!うあああ!!』
影から見ている御目付の声が聞こえる…
『アザス様があんなに…叶わぬ恋を…叶える為か…この作戦…必ず成功させねば…な』
何か勘違いされたようだが、このまま話を進めた。
仔細は生気を抜かれた様なアザスではなく、側近の女騎士に伝え、王国のアサシンギルドを殺りに行く…サクサク行くぞ!
俺は王国内部に入った。
既に手引きがあり王宮までの街道をサクサク進む。
だが、そんな行為を王国の暗部が許すはず無い。
開けた街道で鎌鼬の様な空気の刃が俺を襲う…が、後の先がある限り俺を殺す事は出来ない。
―強者…貴方は帝国の者ですね…誰の手引きでここまで?―
『言うはず無いだろう…出てこい…殺してやる』
逃げられたら困る、いや、別に良いけど。
すると前方の影が不思議な動きをした…来るな…
くノ一か!?女が飛び出して来た。
『死ね!賊が!【影杭】!』
周りから尖った氷柱の様な影が俺を串刺しにしようとする。
しかし後の先がある限り…
【後の先】相手行動前に三行動
【陽炎】3秒間、必ず攻撃を回避
【瞬速】高速移動
【影縛り】相手の力を奪い拘束する
『な!?』
俺が殺られる事は無い。
女はその場で身動き出来ず止まる。
『お前は餌になってもらう…なぁ姉さん』
流石に相手は暗部…姉さんにも来てもらっていた。
いや、来るように言ったが気まぐれなので来てないかもしれない…不安だ。来てなければ俺1人…
―本当に来たか、小僧?―
と思ったが王国内部の協力者…大魔道士シェラハ…通称ババアの声だ。
アザスと同様、暗殺時に知り合ったババア。
まぁこのババアとの話はまたいつか。
とりあえず良かったぁ…これで一人じゃない。
『これから王国のアサシンギルドを殺る、協力してくれ』
―カカカ、相変わらず面白い。王国の人間がお前に協力すると思うか?―
『しないなら今度こそ殺すが?』
―フフ、そうイキるな。協力するぞ、約束だからの。それにしないと地面の下にいる化け物が敵になるんじゃろ、それは勘弁じゃな―
地面の下?姉さんか…来てくれて良かった。
冷静に考えれば帝国七将は一将で四聖四人と同じ力があると言われているが…そんなもん内部に入ってたら王国の皆さんは発狂するだろうな…
『さて、姉さんいるなら一気に殺るか…女、鳴いて貰うぞ?』
動けなくなったオンナの目が揺れた、それは恐れか?それともこれから来る主への想いか。
俺は喉を掴み声を出させる。
『ギャァァァァァァァアアアアア!?!?』
影で王国を牛耳るので、別名『月影』
ハーレム…そう聞いている。
月影トップのエイキ…転生者とアザスから聞いた。
アサシンでありながら魔法を駆使する王国の影の王。
それを支えるのは、5人の女。
それぞれが実力者で、元奴隷から傘下の国の王女まで様々だ。それも相当な強者。
そして、 また一人
―ユミナを離しなさい…貴方は主の逆鱗に触れた…せめて楽に死ぬ為に…―
俺は先程、拘束したユミナとやらの首に刀を向ける。
『助けたければ月影全員で呼べ。雑魚は群らしてまとめないと殺る意味がない』
とりあえず集める、時間はかけられない。
姉さんが飽きる前にケリをつける。
一瞬、風が強く吹いた…来たか…
漆黒のマントに王国の紋章と鎌が2つクロスした紋章…厨二病と言う噂だが…
『帝国一のアサシン…俺は月影のエイキ…首切りのヘン・ダイン…アザスを陥落してここまで来たようだが…お前はここで…自らの首を落として死ぬ』
俺の名前はタイン…ダインじゃない…
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