第6話〜ヒナタ、君ばっかりずるい…僕も

 3人の師匠が何かヒソヒソ話している…今後の指導の方針を決めているらしい。

 

『良し、決まった。皆も聞いて欲しい』


 聖騎士アザスさんは言った。

 基本方針は守る、聖騎士と勇者、アサシンと剣聖、魔道士と賢者…そして主にアサシンが剣聖の修行の後、僕を指導する事に…つまりタインさんが指導者に…胸がドキドキした。

 冒険者になると決めている以来のワクワクが僕を襲った。

 ついピンロタに力を込めて見つめてしまう。


 するとタインさんが胸を反らしながら言った。


『よ、よせ…君…死ぬぞ…あまりの力を入れると…』


『ご、ごめんなさい!』


 僕は恥じた…冒険は遊びじゃないんだ。

 こんな身近に死があるなんて思わなかった。

 そして近くにいたヒナタに言われた…


『なぁナスビン…邪魔しないでくれないか?私はもっと強くなりたいんだ…タインさんから一つでも多くの事を学びたいんだよ…』


『なっ!?』


 僕はショックを受けた…だって…確かに強さに貪欲であったヒナタだが、こんな直接的に言われた事は無かった…


 でも片鱗はあったんだ。

 最初は賢者サラシダとレインが部屋で何かあったのは知っていた。

 その後、ヒナタがレインの所に行くようになった。

 そしてダンジョンのランクが上がる度に、サラシダは魔法で援護する、僕のアイテムと同じ後衛職業さだ。

 しかし前衛のレインとヒナタに差がついて行ったからだ。

 剣聖はよく知らないが勇者のスキルは日増しに強くなっていった。

 少しづつ足手まといになっていくヒナタ、そして今回のパーティーにSランク級の仲間が入るのが決まってから…

 ヒナタは少しすつレインの部屋に行く回数が減っていた。

 ひたすら剣振っていた日もあった。

 多分…自分の弱さに嫌気がさしているんだ…

 

 だけど!それは僕だって一緒だぞ!いや、あからさまにサラシダと一緒に役立たずって言ったじゃないか!


『僕だって一緒だ!強くなりたい…』


 タインさんが間に入り説明する。


『フム、喧嘩はよせ。私とて1石で強くなる方法等知らん。私といるから強くなるとは限らん。皆で強くなるんだ』


 するとアザスさんが言った。


『ちょっと待って、今、タインが良い事言った、それで行こう』


 そしてムクれたヒナタと一緒に修行が始まった。

 




 追放が決まった今、思い返して見ればあの時からだったな…ヒナタが分かりやすく僕を憎む様になったのは…


 そして目の前で…ヒナタが言った…


「ナスビン…追放前に…本気の決闘だ…」


 


※結構話が溜まってますが時間軸が目茶苦茶なので整理しながら書いております。最低1日1更新、他のもエタらずコメントも返したい!

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