第2話 謎の声、導きの始まり

ナメクジの化け物による脅威が現実となり、街は恐怖に包まれていた。防衛軍のあらゆる試みが無力であることが明らかになり、人々は絶望感を深めていた。その中で、多元カイは謎の声に心を動かされ、未知の脅威への対処法を見つけ出すための手がかりを求めていた。


カイは、その日もフリースクールで子供たちを見守りながら、内心で声の正体について思案していた。放課後、恋人の中崎陽妃と会い、彼女に声のことを話すと、陽妃は驚きつつも、カイを信じて支えることを約束した。


「カイ、怖いけど、一緒に解決策を見つけよう。あなたならできる。」陽妃の言葉に勇気づけられ、カイは行動を起こす決意を新たにした。


夜、カイは再び謎の声を聞いた。今回はより明確なメッセージがあった。「北の古びた神社へ行け。そこに答えがある。」カイは、その指示に従うことを決め、翌日の朝、一人で神社へと向かった。


神社は荒れ果て、長い間人の手が入っていない様子だったが、カイは畏敬の念を抱きながら境内を歩いた。本殿の前に立ち、何か手がかりがないか探していると、ふと足元に古びた絵巻物が目に入った。それは、かつてこの地に現れたという「酸性の怪物」を封じた戦いの記録だった。


絵巻物を手に取り、カイはそれを紐解き始める。そこには、怪物を封じるために使われた神秘的な儀式と、その儀式に必要なアイテムの存在が記されていた。しかし、絵巻物は古く、一部が損傷しており、全てを読み解くことはできなかった。


絵巻物を持ち帰り、陽妃や防衛軍の仲間たちと共に、その謎を解き明かそうと試みる中で、カイは自分がなぜ謎の声に導かれたのか、その理由について考え始める。そして、彼は自分自身の過去や家族の歴史に、この脅威に立ち向かう鍵が隠されているのではないかという疑念を抱くのだった。


絶望の中、希望の光を求めて踏み出したカイの冒険は、これからも続いていく。

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