ナメクジの首都鎮圧攻防

みっちゃん87

第1話 突如現れた影

静かな夜が明け、朝日が街に穏やかな光を与え始めたその時、平穏は破られた。都心の中央公園に、突如として現れた巨大なナメクジの化け物。その驚異の出現に、都市は一瞬にして混乱に陥った。ニュースは瞬く間にその奇怪な光景を全世界に配信し、人々は恐怖と好奇心に駆られた。


多元カイは、その朝、いつものようにフリースクールで子供たちに向き合っていた。しかし、スマートフォンが次々と鳴り響き、平穏な日常は突然中断される。画面に映し出されたのは、公園を占領し、その巨体をくねらせるナメクジの化け物の姿だった。彼はその場に立ち尽くし、信じられない光景に目を疑った。


「カイ先生、大丈夫ですか?」心配そうに話しかける子供たち。カイは深呼吸を一つし、子供たちに笑顔を見せた。「大丈夫だよ、みんな。でも、今日は早めにお家に帰ろう。」そう言いながらも、カイの心は不安で一杯だった。


その後、カイは防衛軍の非常勤隊員として、現場に急行する。装備を整え、他の隊員たちと共に、未知の脅威に立ち向かう準備をする。しかし、彼らが試みたあらゆる攻撃は、ナメクジの化け物には全く効果がなかった。さらに驚くべきことに、化け物は時折、強酸性の液体を周囲に放ち、それに触れたものは何もかもが溶けてしまう。


カイは、この突如現れた脅威にどう立ち向かえばいいのか、答えを見つけられずにいた。しかし、彼の中には、フリースクールの子供たち、恋人の中崎陽妃、そしてこの街の人々を守りたいという強い思いがあった。


夜が再び訪れると、カイの耳に謎の声が囁いた。「恐れるな、多元カイ。真の勇気は、絶望の中にこそ芽生える。」


その言葉を胸に、カイは新たな決意を固めるのだった。未知の脅威に立ち向かい、人々を守るための戦いが、今、始まろうとしていた。

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