第66話 入学式の朝でも変わらない日々
「ゆ……ゆき……雪……」
俺の体が揺さぶられている。
休みなんだから、起こさないでくれ……
「雪……雪……もう……なら好きにするわね……」
俺の上に重みが加わり、そのまま抱きしめられ、口内の蹂躙が始まる。
「んんっ……ちゅぅ……れあっ……あむ……んむ……」
俺は意識が覚醒していくと同時に、少しだけ目を開くと、目を閉じた時雨が俺の口の中で舌を暴れさせていることに気づいた。
俺は抱きしめ返しながら、時雨の頭を優しく撫でる。
「んむっ……雪……好きよ」
「ん……俺もだ……」
そう返答すると時雨は、俺の舌に自分の舌を絡めながら、唾液を送り込んでくる。
不思議なことだが、ほんのりとした甘みが俺の口の中に広がる。
「ちゅぅ……ちゅぱっ……れあっ……んん……」
そのまま時雨は、「わかってるわよ」と言わんばかりに、俺のテントの片付けを手伝ってくれる。
「んむ……時雨……」
俺はさらなる快楽を求め、時雨の胸を揉む。
「ちゅっ……んもぅ、ほんと、好きなんだから……♡」
時雨は恥ずかしそうに、でも嬉しそうに俺に文句を言ってくる。
「仕方ないだろ? 俺は時雨に夢中なんだ」
「ふふふ、もっと……もっと私に夢中になって? んんっ……♡」
時雨の目に♡マークが浮かんだように思えた。
時雨も蕩けきった顔で俺の舌に自分の舌を激しく絡めてくる。
「んむちゅ……まだ固くなるのね?」
「ん……それはそうだろ。時雨にやってもらってんだから」
「もぅ、調子のいいこと言って♡ あむぅ……」
このまま溶け合っていたいが、そういうわけにもいかないだろう。
今日は休みじゃなくて、入学式だったわ。
「んむっ……しぐ、れっ……」
「んんっ……わかってるわ、よいしょっと」
時雨はキスするのをやめ、俺のテントに頭を向け、お尻を俺の方に向けてくる。
今気付いたんだが、これ新しい制服か? 見たことない服だ。
まぁ、こうするってことは俺もしてあげないと失礼だよな?
俺は時雨のスカートを捲り、俺のテントと同じように触り始める。
「あん♡ ちょ、ゆ、ゆき……♡」
「俺だけしてもらうのも悪いからさ?」
「もぅ……下着変えなくちゃいけないじゃない」
「既に変えないとダメな状態になってるじゃん。俺も時雨を満足させたいんだよ」
「……ふふ、なら、急いでお願いね? 今日は絶対に遅れるわけにはいかないもの」
「わかってるさ」
それから俺と時雨はお互いを責め合いながら、朝からお互いに満足し合って、幸せな時間を過ごした。
―――それから俺と時雨は、後片付けをして下に降りると、海と母さんと干菜さんが待っていた。
「もー、お兄ちゃんたち、絶対楽しんでたでしょ?」
「仕方ないじゃない。盛り上がっちゃったんだから」
「いいなー、お兄ちゃん私も今度楽しむからね?」
「わかってるさ」
「ふふふ、三人とも仲が良くてよかったわ。さぁ、朝食にしましょ」
「そうよ、今日は入学式なんだから」
母さんと干菜さんもニコニコしながら、俺たちを見ている。
「あぁ、そういえば、時雨はそれ新しい制服なんだよな?」
「そうよ。どう? 似合うかしら?」
そういうと時雨は俺に見せるように、その場でひらりと一回転してくれた。
新しい制服は、襟付きの白いシャツにその上からネイビーのブレザーを着て、青いネクタイを結んでおり、膝上ぐらいまでのグレーのチェック柄のプリーツスカートで、実に華の女子高生らしい格好だ。
「よく似合ってるよ、時雨。綺麗だ。」
「ふふ、ありがとう。入学式が終わったら、明日から土日だから、帰ったらもっとよく見せてあげるわね?」
「はは、わかったよ。帰ってきたらな」
「いいなー。私も早くお兄ちゃんと同じ学校に行きたいなぁ」
「来年には一緒になるじゃないか?」
「……学校でお兄ちゃんに会えなくなるから」
海が少しだけしょんぼりしてしまった。
俺は海を慰めるため、抱き寄せ、頭を撫でてあげる。
「学校で会えなくても家で会えるだろ? 俺も寂しいけど、家に帰ってきたらいっぱい抱きしめてやるから」
そう伝えると、海は抱きしめ返してくれて、俺の胸に顔を埋め、グリグリと押し付けてくる。
「帰ったら毎日いっぱい甘えるからね?」
「おう、どんとこいだ」
「建築と爆破もするから」
「それは、ほどほどでお願いします」
「ほらほら三人とも、ご飯食べないと遅れちゃうわよ」
そう言えばそうだった!
干菜さんに言われて、俺たちは急いで朝食を済ませた。
そして、俺は顔を洗い、制服に着替えた。
新しい鞄を持って俺は、部屋を出て、玄関に向かう。
「あらあら! 雪似合ってるわよ」
「そうね、とってもよく似合ってるわ」
「お兄ちゃんかっこいいよ!」
「ふふ、雪君、似合ってるわ。これは他の女の子が寄ってきそうね」
「寄って来られても多すぎたら対処できないから、やめて欲しいんだけど……」
「いいじゃない、それだけ魅力的な子ってことでしょ?」
「お母さんは人ごとだからそう言えるのよ」
時雨は母親と言い争っているが……
「まぁ、俺も高校に入ったからには、妻を探さなくちゃ行けないんだから、多少は多めに見てくれよ?」
「……多少じゃない気がするから言ってるのよ」
「さすがに、俺も自重はするつもりだぞ?」
「……本当かしら?」
「ワタシ、ニホンジン、ウソツカナーイ」
「ちょっと今からボールギャグ取ってくるわ」
「おいやめろよ! 入学式でそんなもんつけてたらやばいやつって思われるだろ!」
「一部の人間は寄ってくるわよ。その状態で恍惚の笑みを浮かべてご覧なさい? さらに増えるから」
「嫌だよ! 普通の子と出会いたいよ俺は!」
「ほーら、いつまでも喋ってないで行きましょ」
母さんに促され、俺たちは家の外に出た。
「じゃあな海! また夜にな!」
「うん! お兄ちゃんいってらっしゃい!」
「行ってきます!」
そして、俺と時雨と母さんと干菜さんは新しく入学する学校へ歩き始めた。
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お二人の方、送って頂き、ありがとうございます! 励みになります!
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応援、フォロー、星を付けて頂き誠にありがとうございます!
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