第65話 愛羅はピュアピュア


 あのあとはけっきょく、個人個人で歌ったり、皆で歌ったりして、楽しい時間を過ごせた。

 美少女たちとカラオケに行けて、非常に満足です。


「いい時間になってきたな。晩御飯食べて帰るか」


「イイね! あーし、お寿司たべたーい!」

「私はお米が食べれるなら、なんでもいいわ」

「お肉がいいー! 雌犬の奢りで焼き肉行こー!」

「奢りませんよ! 私もお米食べたいです!」

わたくしは皆様に合わせますわ」


 愛羅、時雨、海、梓さん、桜がそれぞれ反応を示す。

 米が良さそうだから愛羅と海の意見のどっちかだな。


「俺も何でもいいよ。愛羅の寿司か、海の焼き肉だな」


「お兄ちゃんが選んで」

「そだね! ユッキーが選んだら誰も文句言わないっしょ!」


「……そんな責任背負わされても困るんだが?」


「いいから、いいから! ユッキーの好きな方選んで!」


「んー……じゃあ焼き肉でいいか?」


「わーい! お兄ちゃんありがとう!」

「あぁーぁ、あーしのこと魅力的だなんて言ってたのに……」


「えぇ!? いや、ほら! 今回は海とデートだからさ! 今度愛羅と遊びに行くときは寿司いこうぜ! なっ?」


「……へぇー、あーしのこともデートに誘うんだ? やっぱり狙ってる?」


「おい、やめろ! そっちの方向に持っていくんじゃないよ! あとが大変なんだから」


「雪は明日の朝までコースじゃ足りないみたいね? 明日の昼までコースをご希望かしら?」

「むしろ、明日の夜までがいいかな? 帰りに栄養ドリンク箱買いするね」


 ご覧の通り、時雨、海がその発言を許すわけもなく……


「ほら見ろ! 愛羅のせいで俺の明日が大変なことになりそうじゃないか!」


「あーし、よくわかんないんだけど、朝までコースとか何するの? ウミウミとシグシグとユッキーで夜通し遊ぶってこと?」


「「「…………」」」


 なんとなく感じてたけど……愛羅ってもしかしてピュアな子……?


「愛羅ちゃんって意外とそういうの疎いんですね?」


「えっ? あーし、何かおかしい?」


 桜の言葉に自分がわかってないことに気付き、俺たちの顔を見てオロオロしている。


「愛羅さん愛羅さん、あの三人は帰ってからイチャイチャするってことですよ? ちなみにイチャイチャって何すると思います?」


 梓さんが代表して愛羅に聞いてくれた。


「えぇ? イチャイチャって、そりゃ、その……キスとか、抱き合ったりとか?」


「もう、その返答がピュアですね」


「え、えぇ!? じゃあ、その……エッチなことしたりとか……?」


「あっ、その知識はあるんですね」


「……えっ! 朝までコースってそういうこと!? もうウミウミとシグシグは妊娠しちゃうの!? 妊娠して学校とか大丈夫!? 鬼ヤバじゃん! さすがに今妊娠は早いんじゃない!?」


「「「「…………」」」」


「あれだな、知識として多少あるけど、疎いというか足りてないという感じか?」


「愛羅って意外とピュアなのね」

「愛羅さん、純真でかわいいなぁ」

「愛羅ちゃんはそのままを売りにしてるの?」

「愛羅さん、雪君と結婚したいなら、もう少し知識つけた方がいいですよ」


 時雨、海、桜、梓さんの順で感想を述べていく。


「えっ? えっ? えっ!?」


「いいんだぞ、愛羅。この世界で君は貴重な子だ。どうかそのままでいて欲しい」


「なんかあーしバカにされてない!? してるよね!?」


「じゃあ肉食いに行くか。学生らしく、安く済む食べ放題にしようぜ」

「お兄ちゃんのマジックカード使ってよー? 食べ放題でもいいからさー」

「まぁ、海の分は今日は出すよ。デートがダメになっちゃったしな」


「あら、私は奢ってくれないの? 前回私奢って貰ってないけど?」

「……今回だけだぞ?」

「ふふ、ありがとう。帰ったらサービスしてあげるから期待して頂戴」


「雪君、お姉ちゃんには奢ってくれないの?」

「……今回だけだぞ? あとお姉ちゃんじゃないだろ」

「ありがとうございます! お礼に一生お姉ちゃんになってあげる!」


「雪君、雪君、私も奢って欲しいなー?」

「ダメです」

「どーしてですか!? 私だけ除け者にしないで下さいよ!」

「さっき俺のタペストリーを時雨に渡したんでダメです」

「えぇー! じゃあ後で生パイでお顔抱きしめてあげるから!」

「……今回だけですよ?」

「やりました!」


「雪!」

「お兄ちゃん!」

「雪君!」


 時雨、海、桜が何か言ってるが俺には聞こえない。


「ほら、食べに行こうぜ!?」


「ちょ!? あーしは!? あーしはバカにされたままなの!?」


「愛羅も奢ってやるよ。子供料金で済むだろうからさ?」


「ユッキーのアホー!」


 バチン!

 愛羅に背中を叩かれた。


「ちょっとウミウミ! あーしにもさっきの資料読ませて!」


「……しょうがないなー。ちょっとだけですよー?」


「読んで絶対ユッキーを見返してやるから! 覚悟しといてよ!」


「……覚悟したとして、愛羅が海や時雨みたいになるのは想像がつかないんだが?」


「ムカー! 絶対あーしの魅力でユッキーを落としてやる!」


「ほらほら、雪も愛羅で遊んでないでいきましょ?」


 時雨が早く行こうと促してくる。


「やっぱ、あーし遊ばれてんじゃん! ユッキー、どいひーだよ!?」


「くっくっく、ほら、愛羅いくぞー」


「ぬぬぬ……なら!」


 愛羅は唐突に俺の腕に抱きついてきた。

 俺の腕は愛羅の胸に飲み込まれる。


「ふっふっふ、どう? ドキドキするでしょ?」


 愛羅がニヤニヤとした顔で俺のことを見てくるが……


「……すまない」


「……えっ?」


「素直にうれしいとは思うけど、ドキドキするほど、俺はもうピュアではないんだ……」


「そ、そんな……」


「海や時雨に毎日されてるし、他にもしてくる人がいるから感覚が、バグっちまってんだ……」


「そ、そ、そ、そんなに!?」


「あぁ、うれしいとはちゃんと思ってるぞ? 愛羅みたいなかわいい子に抱きつかれて、嬉しくないわけないからな」


「……勉強するから! 絶対ユッキーをドキドキさせるからね!」


「はっはっは、楽しみにしてるよ。じゃあ行こうか」


 ぐぬぬっと唸る愛羅を引きつれ、俺達は焼肉食べ放題でお腹を満たして帰った。


 短い休みが終わり、そして、いよいよ高校の入学式が……始まる!


★********★

書こうと思えば、まだ書けるけど……そろそろサービスシーン入れたい……


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