第11話

〜梨亜と志満の部屋〜


 「お久しぶりです、志満様」


 「っち、話って何?早くしてくんない?意気地なし」


 やはりコイツは苦手だ。私もお前とは話したくない、早く終わらせよう。後この部屋には私達以外誰も居ないんだよな、この口調は疲れる。


 「単刀直入に言う京奈に謝罪しろ」


 急に口調が変わって驚いたのか志満は面食らった顔を浮かべた、これでビビって条件を飲めばいいんだがな。しかし効果はあまり期待できない様だ。


 「は?なんで私があのクソブス女に謝らないといけないわけ?意味わかんないんですけど〜www」


 ④Aには行けないみたいだ、じゃあ④Bに切り替えだ。


 「はぁ〜、じゃあこれが見えるか?」


 私はそう言ってスマホの画面を志満に見せる、そこには無壱のパワハラやセクハラ、部下を殴っている様子などが映し出された動画が再生されていた。


 「う、嘘……パパがこんな事……」


 「お前が京奈に謝らないならこれを動画サイトに流す」


 流石にここで折れるだろうと考えていたがそれは少しいや、だいぶ甘かったらしい。


 「……な〜んてね、まぁパパがどうにかするっしょ。前みたいに」


 特に青ざめるわけでも無く、あっさりとした顔で志満はそう答えた。


 「前?」


 「この際だから言うけど、昔私がいじめてた子がいるんだけどねぇ〜その子ちょっとやり過ぎて学校こなくなっちゃったの、でもその時にパパが口止めしてくれてね〜、だから大丈夫。フフ、あのブスももうちょっとで消えてくれるかな?」


 その言葉を聞いた時自分でも分かるくらいに顔が熱くなった。あと少しで理性が無くなってコイツに飛びかかるところだった。

 もう許すつもりが無くなった。コイツには社会的に死んでもらう。コイツはダメだ。生かしておくと世が腐る、コイツは立派な犯罪者だ、容赦はしない。


 ズボンのポッケに入れておいた小さいボタンを押す。これは発信機だ、これを押すとすぐにボディーガードが入ってきてくれる。


 バン!


 ドアが壊れそうな勢いで開いた。


 「梨亜様!大丈夫ですか!?」


 「私は大丈夫だ、コイツを捕まえてくれ。」


 「え…ちょ、ちょっと!はなしなs――」


 入ってきた屈強な男に取り押さえられた志満は大きな手の中でモゴモゴと何かを訴えている様だがその声が私の耳に入る事はなかった。


 「モーツからの発信はあったか?」


 「いえ、ありません」


 「そうか……」


 それは無事ということなんだろうけどすごく胸騒ぎがする一応見に行ってみよう。こっちの仕事はもう済んだことだし。




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 百合なのに百合が全く無くてすいません。壮麗に入ってからは百合全開でいきます!あと少しで一章完結です!


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