オリジナル

あなたと


あなたとわたしが一緒に過ごし始めたのは


ありふれた言葉がふたりを繋いだからだった


たくさんの時間を共に過ごし


たくさんの言葉を交わしたけれど


最後にふたりの時間を分けたのも


やっぱり月並みな言葉だった


決して世界にふたつとないふたりの記憶は


それでも


言葉に


文字になると


途端にその形を失ってしまう


それがもどかしくて


わたしたちはきっと何度も


何度もすれ違うけれど


どうしても言葉で言い尽くせなかった


文字で輪郭を描けなかったこの気持ちだけは


わたしだけが知っている


オリジナルだから


ありふれて月並みなこの言葉が


文字が


いつかあなたの心に


何かを伝えてくれればいいなと思う

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