雨の音が聞こえる

雨の音が聞こえる


夜の気配に耳をすますと


その向こうから懐かしい何かが近づいて来るようで


ふいに窓を開けると


アスファルトを打つ雨の匂い


屋根を伝って落ちた水滴が


頬にかかって流れた


お帰りなさい


でも


久しぶり


でもなく


ただ懐かしい面影だけが


夜の雨の向こうに佇んでた


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