あなたの背中

「さよなら」と

あなたは言って去って行く

引き止める事が出来なかった

足はカタカタ震えて

必死にこらえた涙はどうしようもなくて

今日も無理して履いて来てた

ヒールの先に当たって弾けた

口元を手で覆うと

自分の嗚咽で鼻が濡れる

そこからもう

一歩も動けなかった

色々な事があって

でもこんな時でも不思議と

思い出すのは笑顔ばかりで

それが悔しいけど

「ありがとう」って

見えない背中に呟いた

それでやっと

声を出して泣けたんだ

やっと何かが

終わった気がした

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