影密くんと日向ぼっこ
アカペン
第1話 影(ぼく)を照らす太陽(彼女)
この世界は、影で覆われてる
僕はスマホをいじるのをやめ、ゲームしようと立ち上がった。今からするゲームは、「アニマルダンジョン」というプレイヤーがアニマルを操作し、ダンジョンを攻略するという至ってシンプルなゲームだ。それに、このゲームの一番の魅力は、何と言ってもキャラが可愛いことだ!ここまで聞けばこのゲームは、とても人気ゲームなんだろう?そう思うだろう。しかしこのゲームは、いわゆるマイナーゲームに分類されている。なぜか?それは、致命的にバグが多すぎる。例えば、最初の入るダンジョンで壁に向かって走り続けていると壁をすり抜けることができる。そして、そのまま左に進むといきなり床が抜け、底に落ちる。するとなんとラスボスのいるダンジョンに移動できるのだ。あとはプレイヤースキルが高ければラスボスを倒すことができる。バグを使用するとストーリークリアするまでの時間は、なんと、10分にも満たない。バグのことを考えていると、タイトル画面が表示された。僕はゲームスタートを押した。ゲームスタートを押すと、見慣れた光景が広がっていた。これは、誰にも言ってない秘密なのだが、実は僕はRTA世界1位記録を持っている。僕はRTAの最短ルートを探すためダンジョンをぶらぶらしていた。すると、メッセージが届いた。
「久しぶりですね!!「マスター」さん」
そうメッセージが来た。相手はプレイヤー名「うさぎ」俺はフレンド欄から「うさぎ」さんが今「アニマルダンジョン」をプレイしていることを知った。
「今、「うさぎ」さんも、「アニマルダンジョン」やってるんですね!僕も今やってます!」
そうメッセージを送った。
すると、すぐにメッセージが返ってきた。
「よかったら、今から広場で対戦しませんか?」
「うさぎ」さんから対戦を申し込こまれた。
僕は快く承諾し、ストーリーモードを中断した。この「アニマルダンジョン」は、大きく分けて2つのモードがある。1つめは、「ストーリーモード」さっき僕がやってたやつだ。2つめは、「交流モード」このモードプレイヤー同士で対戦や、チャットなどの交流ができたり、一緒に交流モード限定のダンジョンに行けたりした。僕は交流モードを選択し、広場に行った。広場に行くと「うさぎ」さんからメッセージが届いた。
「「うさぎ」さんから対戦の申し込みが来ました。受けますか?」
そうチャットが来た俺は「はい」を押して、対戦に移行した。僕は一番好きなキャラである。「コアラ」を選択した。「うさぎ」さんは、名前通り「うさぎ」を選択した。
そして、バトルがスタートした。まず「うさぎ」が先制攻撃を仕掛けてくる。僕は、それをコアラの得意技であるオールシールドで防いだ。続けて、「うさぎ」は、攻撃を仕掛けてくる。俺はそれもオールシールドで防ぎ切った。すると、突然「うさぎ」が距離をとってきた。それはなぜか?それはコアラのプレイヤーのほとんどが搭載している。カウンターを警戒してのことだった。カウンターは、物理攻撃を全て反射することができ、物理攻撃主流の「うさぎ」とは、相性が悪かった。「うさぎ」は、距離をとりながら攻撃の機会を伺ってくる。僕はあえて「うさぎ」に近づいた。その結果「うさぎ」は、警戒心マックスになり、さらに距離をとってきた。僕は「うさぎ」に近ずくなか「うさぎ」に気づかれぬよう地面に爆弾を仕掛けた。
すると、「うさぎ」は、痺れを切らし近づいてきた。攻撃体制に入ってきてる。ダメージ覚悟で俺にカウンターがあるか確かめようとしてきた。そして「うさぎ」は、アイスキックを放とうとし当たる距離まで近づいてきた。その時、「うさぎ」爆破の攻撃を受けた。「うさぎ」は、瀕死のダメージを負った。そう、僕は、カウンターを搭載しているというこのゲームのジンクスを利用し、「うさぎ」をわざと爆弾が当たる位置に誘導していたのだ。僕は「うさぎ」に接近して、ビッグパンチを放った。これは、「うさぎ」にグリーンヒットし、「うさぎ」は、敗北した。僕は試合に勝利した。それは、そうだ負けるわけにはいかない、
なぜなら僕はこのゲームの対戦ランキング世界1位だからだ!対戦が終わった時メッセージが来た。
「やっぱり、強いですね!」
そうメッセージが来た。そんな中僕は、ふと頭によぎったことがあった。それは、明日から僕は、高校生なのだ。明日高校の入学式があった。僕は昔から人見知りで、コミュ障だった、それもあり、友達が満足にできなかった。僕は明日からの新生活の甘い期待と、不安が入り混じり複雑な感情になっていた。
そんな中続けて「うさぎ」からメッセージが届く
「今日はありがとうございました!明日、入学式あるので、もう寝ます。」
そうメッセージが届いた。僕は「うさぎ」さんも明日入学式なんだそう思った。
「実は、僕も明日入学式なんです。お互い素敵な日になるといいですね!」
そう送った。
「はい!!」
そうメッセージが返ってきて、メッセージが終了した。
僕は、ベットに横たわって初めて「うさぎ」さんとフレンドになった時を思い出していた。
ちょうど発売してから1ヶ月ぐらいが経った時だろう僕は、交流モード限定のダンジョンにのめり込んでいた。交流モードは、「協力」がテーマなこともあり、難易度が高く調整されていた。僕はストーリーモードの、難易度には、満足できずさらに上の難易度を求めていた。ダンジョンに入ると強いモンスターがうじゃうじゃいた。僕は、感情が高ぶった。すると、モンスターから逃げまくってる「うさぎ」のキャラが見えたそのキャラのステータスを見るとなんとまだレベル8だった。おいおい!ここ、推奨レベル70だぞ!危険だ!!そう言って僕は、「うさぎ」を助けた。「うさぎ」を助けると、メッセージが来た。
「よかったら!私に色々教えてくれませんか!?」
「いいですよ!!」そう送った。
それから僕たちは、オンラインが重なったときは、一緒にダンジョンに行くようになった。「うさぎ」さんはみるみる成長していた。さっき「うさぎ」さんのレベルを見たところ97レベル、レベルカンスト寸前まで来ていた。僕はよくぞここまでと、自分のことのように彼女の成長が嬉しくなった。
入学式の日がやってきた。
僕は足早に、家を出て学校に向かった。
学校に着くと、たくさんの生徒が壁に貼っている紙に目線を集めていた。
そうクラス表である。
僕はクラス表を見ようとし、目線をクラス表に合わせた。
しばらくクラス表を眺めていると自分の、名前を見つけることができた。僕は1年Bクラスになった。僕は教室に向かおうと、クラス表から目線を変え、生徒玄関のある方に目線を移した、すると
「おいおい!いまのみたかよ!!」
「あぁ!!ちょーーかわいかったよな!今の子!」
そんな声が聞こえてきた。
男子たちの目が1人の生徒に注がれていた。
その女の子は、一際輝いて見えた。
僕は彼女に思わず見惚れてしまった。
僕は生徒玄関をくぐり、教室に入った。
教室に入るなり、自分の座席が入ってある紙を見て自分の席に着席した。
「へぇー須藤くんっていうんだ!よろしくね!
「俺、三上って言うんだ!よろしくな!」
クラスのあちこちで徐々に会話が起こるようになった。
僕も話しかけてみよう、そう思ったのだが、人見知りのため、なかなか勇気が出なかった。
しばらくすると、男子がザワザワし始める。
「なぁ、あの子めっちゃ可愛いじゃん!」
「なぁ!やばいよな!!」
男子たちが見つめるのはさっき、僕が玄関に入る時に見た、とても可愛い子だった。
「俺、彼女に話しかけてこようかな〜〜!」
そう言う声が聞こえて、男子たちが彼女に話しかけたりしていた。
彼女は、それこそモデルなんじゃないかと、思うくらいスタイルが良く、可愛いかった。
そうこうしてる内に先生が入ってきた。
そして、ホームルームが始まった。
「みんなー!こんにちはー!俺の名前は小栗拓真って言うんだ!!これから1年間よろしくなーーー!!!」
先生がそう自己紹介をした。
そのあと先生に促され、体育館に行き、入学式を受けた。
教室に戻ってくると、クラスで自己紹介が行われた。
「こんにちは、蒼聡太です。趣味は、音楽を聴いてます。最近好きな歌は、「オールラウンダー」という歌です。
これからよろしくお願いします。」
自己紹介は、主席番号1番から行われた。1番の彼が自己紹介を終えるとクラスに拍手が起きた。
「次の人よろしくお願いします。」
そう先生が促すと
「はい!」
その生徒は、席を元気よく立ち教卓立った。
「みなさん!!こんにちは!!私の名前は、朝比奈日向って言います!!ぜひみんな気軽に日向って呼んでください!!趣味は、私多趣味なので!これだ!って絞ることはできないんですけど、強いていうならショッピングしたりすることかな。みんな!ぜひ仲良くしてください!!よろしくお願いします!!!」
そう彼女が自己紹介が終わった途端今日一番の拍手が起こった。男子たちの目は彼女に釘つげだった。
こうして、自己紹介が進み、僕の番がやってきた。
「次の人、よろしくお願いします。」
そう先生が告げると僕は恥ずかしながら、席を立ち教卓に立った。
「あ…あの、僕の名前は、影密日陰って言います。し…趣味は、ゲームをすることです。一番好きなゲームは、「アニマルダンジョン」というゲームです。こ…これからもよろしくお願いします。」
僕は自己紹介を終えて、席に戻った。
「アニマルダンジョン」の名前を出した時、みんななにそれ、みたいな顔をしていた。もっと認知度のある有名ゲームの方が良かったかなー、などと、1人脳内反省会を行なっていた。
そんな中僕は、考えすぎかも知れないが彼女、朝比奈さんと目があった気がした。
クラス全員の自己紹介が終わり、先生が行事や学科のスケジュールなどを話し終え今日は、下校となった。下校する時、僕は朝比奈さんをたまたま見たすると、朝比奈さんは
、たくさんの男女に囲まれていた。僕はその横を通り玄関に向かった。
玄関を出て、学校の校門を出ようとした時、ある1人の生徒が話しかけてきた。とても可愛い声だった。
「あなた、影密くんであってる?あなた、アニマルダンジョンやってるんでしょ!?」
さあ話しかけてきた。
僕は目の前のことが信じられず、その場で固まってしまった。
目の前にはあの、朝比奈さんがいた。朝比奈さんが話しかけてきたのだ。
「そ…やってます。」
そうオドオドしながら答えた。
「嬉しい!!私知り合いにこのゲームやってる人いなくて、そのーこのゲームマイナーだから」
さあ話してきた。
「そ、そうですねー」
僕は、そう彼女の言葉に返した。
「よかったら、フレンドにならない?よかったらでいいんだけど」
そう彼女が聞いた。
僕はこちらからお願いしたいぐらいです!!そう思い
「ぜひ!!」
そう彼女にか返した。
「ちょっと待ってね!今フレンドコード渡すから!」
そう言ってカバンから紙とシャーペンを取り出し書き出した。
「はい!」
彼女は、喜んでフレコの紙を渡してきた。僕は、ありがたくその紙を受け取った。
「じゃあ!!家に帰ったらぜひフレコ打って私にメッセージしてね!!」
「また明日ね!!」
そう彼女は、言うと駆け足で校舎に戻って行った。
僕は未だにこれが現実なのか疑っていた。
僕は家に帰るとフレンドコードを打つことにした。フレンドコードを打つとそこには、目を疑う光景が目に入ってきた。フレンドコードを打ちプロフィールを確認すると、すでに僕とフレンドになっていた。そしてプレイヤー名には、「うさぎ」と表示されていた。
「うさぎ」さん!?僕はしばらく頭が混乱していた。
そう、プレイヤー名「うさぎ」の正体は、朝比奈さんだった。
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