第32話:島に連れて来られたドワーフさん
そんな、四女だか五女だか、ドワーフでプレイしていた時の事。
少し成長して、ドワーフとして生まれた村からようやく外の世界に出れるようになった頃。
17歳前後、だったかな。
大陸を経由して、上の娘たちの故郷である島で活動したり、ドワーフの村に戻ったりと、行ったり来たり。
そんなある日。
大陸の港から、島へ向かう船を待っていたら。
「もうすぐ船が来るから、それに乗って、島に行くからね」
「はい・・・」
ウチと同じ、ドワーフの女性が、ふたり。
ひとりは高価そうな鎧を着ていて、年配の方。
もうひとりは、あきらかに初期装備に近い、まだ若そうな方。
横で話を聞くとはなく、聞いていると、どうやら。
ドワーフの村に居た若い子に、おねーさんが。
『いい狩場があるから、連れて行ってあげる』
みたいな感じで、移動中らしい。
ドワーフの村から出るにはテレポート料金を払わないといけないんだけど、始めたばかりでは、その料金を払うコトができず。
ある程度、資金を溜めてからじゃないと、村を出れない。
ウチが村を出れるようになったのも15を過ぎた頃くらいだったか。
おねーさんが資金を出してくれたんだろうなぁ。
船代も、結構かかるしね。
だから、普段は海を泳いで渡るんだけど、今日は、たまたま。
船に乗ってみたくなって、船着き場で、待機中。
「きたよ」
ぶぉーん。
汽笛(?)を鳴らして船が到着。
船に乗り込んで、今度は、出船を待機。
やがて船が動き出して、大海原を渡る。
遠ざかる、大陸の影。
水平線だけになって、島が近付くと、島の影が見えてくる。
この、船で移動中のBGMが、また、よかったんだよねぇ。
島のBGMも好きだけど。
無事に島の村に着いたんだけど。
「じゃ、ここでしばらくがんばってね。わたしはクエスト済ませてくる」
みたく、おねーさんが去り。
取り残される、幼いドワーフさん。
なんか、いきなり放り出されて、呆然と立ち尽くしてる?
気になってそのやりとりを聞いていたウチと、もうひとり別の見習い魔法使いの男の子。
「だ、だいじょうぶか?」
「まずは村の近くでワンコ倒してみるといいよ」
どうも、まだ操作にも慣れていないようで、動作もぎこちない。
話しかけても、チャットにも慣れないんだろう、反応が、遅延ぎみ。
動き出して、村の外に出て。
村の周辺に居るワンコと戦うんだけど。
その戦いも、正直、微妙。
殴りかかったのはいいけど、殴り続けずに、立ち尽くす。
ガシガシ、ワンコに噛みつかれてる。
HPの残量がわからないから、ハラハラ。
見習い魔法使いの男の子が、回復魔法を飛ばしてサポートする。
なんとかまた動き出して、ワンコを倒すけど。
そんな感じで、数匹のワンコを倒した後、ぼそっと。
「おうちかえりたい」
ぉぅ……。
仕方がないので、港まで連れて行って、お金も無いってことで、船代も出してあげて。
いくつか、余っていた装備もプレゼントして。
「いいんですか?」
「いいよ。あなたが大きくなった時、別の若い子にプレゼントしてあげればいいよ」
「……はい」
てな、一幕。
本当はもっと細かいやりとりもあったけど、だいたいこんな感じの、出来事。
何故かすごく印象に残っていて。
若いドワーフさん、高レベルのドワーフさん、それに、少し慣れたドワーフのウチ。
三人のドワーフの女の子が。
その成長過程を垣間見るようで。
このネタで、一本、ショート小説にしたのは、はるか後の、話。
(記録見たら、2009年って書いてあったw モトネタはおそらく2004年か5年)
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