第20話:ボス戦に挑戦してみた結果



 とある狩場で、『アジト』に『あるじ』てなボスモンスターが現れるとの情報を得て。


 その時間の少し前に『アジト』に行ってみたら。


 ウチら以外にもその情報を知っているヒトたち。


 ウチらよりも上位のレベルのヒトたちも大勢。


 そして、時間と共に。


 何もなかった『アジト』に、大量のモンスターが、沸く。


「ひゃっはーっ!」


 集まったヒトたちが、一斉にアジトに突入し、そのモンスターに突撃。


 ウチらも流れにのって、突撃。


 はい。


 一瞬で、ちーん。


「ダメだ、戦略的撤退だーっ!」


 かろうじて生き残ったヒトたちがアジトの外に逃げ出すも。


 ウチを含めてHPがゼロになってその場に倒れたヒトが数名。


 外からの救援が来るけど、救援に来たヒトがまた行動不能に。


 それでも、少しづつ、外へと移動して、なんとか全員、脱出。


「これは個々に戦っても勝ち目はないな」

「パーティを組んで体勢を整えないと」


 見知らぬ者同士、いくつかのグループが集まって。


 お互いにジョブを確認して、パーティを構成。


 三つ程のパーティに分かれたけど。


「ヒーラーが圧倒的に少なすぎるな……そこの魔法使いさんたち、ヒーラーやってくれる?」


「え? ウチら?」


 Aさんと、Mさんの攻撃魔法使い(♀)の二人。


 攻撃魔法使いとは言え、見習い時代に覚えた回復魔法は、一応、使えるけど。


 ウチのように回復魔法使いのように、その魔法のレベルが伸びていないから、威力はしょぼいけど。


「まぁ、なんとか、やってみるわ」


 ってことで。


「それじゃぁ、再突入」

「ボスを倒してしまえば他は消えるだろうから、ボス集中で」

「よっしゃ、いくぞー」


 おーっ!


 んが、しかし。


「あ、だめだ、これw」

「誰かあの門の上に居る弓を倒してくれっ」

「だめだ、武器が届かないっ」

「魔法使い、なんとかならんのかー」

「回復で魔力使い尽くして魔法撃てなーい」


 ウチも、開戦直後、連続して回復魔法を使って、すぐに魔力が尽きてるし。


「戦略的撤退だぁー」


 また。


 復活リレーで、少しづつ撤退して。


「これは、あれだ」

「うん。人数もレベルも、全然足りてないね」

「だなぁ……」


 三々五々、散りゆく人々。


 名残惜しそうに、残ってる人々。


 時間が過ぎたためか、モンスターたちが、消えた、そのアジトの前。


 ちゃりーん、ちゃりーん。


 ん?


 誰かが、地面に、お金を棄てている。


 いや、置いている?


 規則的にならんだお金(お金を足元に落とすと、アイテムとして地面に表示される。落とす時に、ちゃりーん、と、音が鳴る)


「マ……タ……ク……ノ……?」


 お金が、文字をなし。


 ひと文字づつ。


 そう。


 今日は無理だったけど。


 また、いつか。


 レベルが上がったら、人数をそろえて。


「マタクルデ!」


「また来るで!?」


 出来上がったお金アートの前に、残った人々が並んで。


 雄たけびのポーズで、記念写真(スクリーンショット)







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