第8話:魔法使いさんの火炎魔法・召喚魔法


 なんとか、海を渡って大陸から島へと戻り。


 また改めて大陸に行くにしても、レベルを上げて、もっと強くならないと、ね。


 ってことで。


 島の村の近くで、狩り。


 さすがに村のまわりの野犬では役不足。


 村から少し離れた場所で。


 例の赤毛の戦士くんとパーティプレイしていた近くで、人狼タイプのモンスターとか、オーク(プレイヤーじゃなくて、モンスターの、オーク)とかを中心に。


 風魔法二発で倒すか、風魔法一発と、後、杖で殴り。


 殴り合うとこっちのHPが削られるので、それは回復。


 どっちにしても、魔法使い(見習い)なので、MPが、減る、減る。


 MPがなくなったら、道端の安全な場所に座って、自然回復を、待つ。


 待ってる間、ぼーっと周囲を見ていたら。



 道路を挟んで反対側の斜面に。


 どーん。


 火花!?


 え? なに?


 真っ赤なローブを着た……たぶん、お姉さんが。


 人狼型モンスターを大量に引き連れて。


 そんなに取り囲まれたら、一瞬で?


 どーん。


 火花、というか、火の輪。


 周囲の人狼型モンスターが、一撃で倒され。


 その中心に立つ、お姉さん。


 赤いローブ。長い杖。


 ウチは、ついつい、そのヒトの元に駆け寄って。


「なにそれなにそれ、今の何!?」


「あー、これ? これは魔法使いの火炎魔法だよー」


 そう言って、再度。


 今度は、間近で、マジか?


 どどーん。


「すげーっ」


 おそらく、ウチよりはるかに高いレベルの、見習いではない、魔法使いさん。


 この世界では、二十歳になると上位のジョブへとジョブチェンジすることができる、らしい。


 お姉さんは、すでにジョブチェンジしている、ってことか。


「こんなこともできるよ」


 と、お姉さん、なにやら魔法を詠唱しはじめて。


 詠唱が終わると。


 お姉さんの前、そしてウチの目の前の足元に。


 これは、魔法陣!?


 青白い光を放ちつつ、魔法陣が描かれ、そして、その中心部分から。


『うにゃぁああああん』


 ネコっ!?


「なにこれなにこれ、かわいいいいいっ!?」


 ネコちゃんが出てきた。


「あはは。召喚魔法。ネコ・ザ・ネコ、召喚獣だよ」


「ほぇええええ」


 上位の魔法使いさん。


 火炎魔法やら、召喚魔法やら。


 いろいろ、使えるようになるんねー。


 それに、ローブもカッコイイ。


 ウチが着ている見習いの、安物のローブとは造りもデザインもちがーう。


 いぃなぁ……。


 とか、とか。


「あ、そうだ、このローブ、あげる」


「え?」


「ウチのお古で申し訳ないけど、今着てるのよりは、いいやつだよ?」


 お姉さんから、ローブをもらった。


 うっそーん??







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る