第3話:島の滝



 夜。


 そう、このゲーム、昼と夜が再現されている。


 リアルの時間で2時間だったか、4時間だったかは忘れたけど、周期的に、昼と夜が切り替わるシステム。


 その時は、たまたま、夜の時間。


 村の出入り口の門番のNPCから聞いた情報。


『川沿いに進むと滝がある』


 滝。


 なんか、ちょっと見てみたい、と。


 歩き出して、ちょっと後悔。


 なんか、川沿いの道に、でっかいカエルのお化け。


 カエルのモンスター。


 でっかいとは言え、ヒトを丸呑みにするほどの大きさではないけど。


 中型犬くらいの大きさ。


 初見なので、結構、怖い。



 なるべく近寄らないように。


 カエルを避けて川沿いに歩いて行くと。


「うわぁ……キレイ……」


 たまたま、夜だっただからかもしれないけど。


 荘厳。


 高い崖の上から、豪快に流れ落ちる、滝。


 幅も広く、川の左右から、流れ落ちる。


 左側が主で、右側はちょろっと、って感じかな。


 ごうごう、と、流れ落ちる水の音も聞こえて来る。


「うわぁ……」


 ついつい、見とれていると。



「うわぁあああああああっ!?」


 クモっ!?


 でっかい、クモっ!?


 クモのお化けっ!


 いや、クモのモンスターっ!?



 さっきのカエルの非じゃ、無い。


 でっけーっ。


 こんなのに襲われたら、ひとたまりもないっ!



 逃げなきゃ。


 逃げよう。



 逃げた。


 追いかけられた。


 うそーんっ!?


 やぁああああああああ。


 必死に逃げまどっていると、同じクモがもう一匹。


 ひぃいいいいいっ。



 林の中に逃げ込んで、樹の間を縫うように逃げる。


 クモがうまい具合に、樹にひっかかってくれたりしないかなー、と思いながら。


 逃げるっ。


 んが、しかし。



 がしゅっ!


 後ろから、ばっさり。



 ばたん、きゅー。


 画面中央に、ボタンが表示される。


『近くの村へ』


 あぁ、HPがゼロになると、こうなるのね。


 動く事ができなくなって、強制的に村に連れ戻される、と。



 なるほど、納得、なるるん。



 でも。



 あの滝。



 キレイだったなぁ……。




 この島の、この滝が。



 なるるの心の故郷となり。



 プレイを進めて、島を出て、大陸が活動の拠点となった後も。


 折に触れ、この場所に戻ってのんびりまったり。



 あぁ、懐かしや。



※注

 このゲーム、著作権/商標表示がうるさくて画像や名前を出すのが面倒なので、固有名詞的なものや画像はここでは掲示できないのが、残念。


 興味のある方は、『なるるん 島記』でググってみていただければと。この中のメニューの『旧版』部分が、今書いているオープン当初のリプレイです。


 Classic版は、一旦引退した後に復帰した時のリプレイでする。





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