ディープへの手紙1

ディープへ


エリンにこの手紙を君に渡してもらうよう、お願いしたんだ。

この1ヶ月の間、君が辛い日々を過ごしていなければいいのだけど。君を苦しめることになったのではないか…と。


哀しいとき、淋しいとき、ひとりでいないで欲しい。エリンはきっと君を助けてくれる。僕がそうだったように。

差し出されたその手を取ることをどうかためらわないで。君はひとりじゃないことを、どうか忘れないでいて。


ディープ、空を見上げて。

その空の遥か遠く、宇宙の星の中に、僕は、いるから。ときどき思い出してくれたらいいな。

僕は淋しくないよ。


生きていくことは、辛くせつないことばかりだけど、

生きることは希望だと思う。

ただ生きている、それだけでいいのだと、

君がそう教えてくれた。


今まで、僕のたくさんの無理とわがままにいつも寄り添ってくれて、ありがとう。


ゆっくりでいいから、君に笑顔が戻りますように。

君とまた再会する日は、遠い未来でありますように。


エリンのこと、頼むね。

それじゃ、また。


たくさんの感謝をこめて。



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る